「投資は魔法ではない」――老後資産を守るために
金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月時点)」によれば、NISA口座数は2,826万口座を突破し、NISA買付額は累計71兆円に達しています。NISAの認知は広がり、これから投資を始めようとする人の多くは、新NISAを利用するでしょう。
しかし、勘違いをしてはならないのが、「NISA=安全・国が推奨しているから安心」というイメージへの誤解です。金融庁が厳選した投資信託を長期で積み立てる「つみたて投資枠」に対し、個別株などが購入できる「成長投資枠」は対象商品が非常に幅広く、選択肢によってはリスクが高まります。
つみたて投資枠であっても元本保証ではなく、投資の世界に「絶対安全」という選択肢は存在しません。NISAとはあくまで利益にかかる税金を免除する「箱」であり、そのリスクは選ぶ商品によってまったく違うことを理解しておかなければなりません。
さらに、末井さんのようにNISAをきっかけに投資を始めた人が、物足りなくなって口座の外でハイリスクな取引に手を染めてしまうというケースもあります。
「スタートが遅いから、短期間で一気に取り戻したい」というシニア特有の焦りは、このハイリスクな取引の誘惑と非常に結びつきやすい。しかし、失った資金を労働で取り返す時間が残されていないシニア世代にとって、レバレッジ取引などは致命傷になり得ます。
投資は魔法ではありません。短期間で儲けようとすれば相応のリスクがあり、最終的には自分で考え、自分で責任を取るものです。オンライン上の声や他人の儲かった話に理性を狂わされることなく、自分のリスク許容度の範囲内で慎重に考えること。それこそが、取り返しのつかない老後破産を防ぐために必要なのです。
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