(※写真はイメージです/PIXTA)

家族だから分かり合えるはずだと思っていても、親世代と子ども世代の距離感は簡単ではありません。特に、結婚した子どもの配偶者や孫との関係では、善意のつもりの言葉が相手を追い詰めることもあります。距離を置かれて初めて、自分の言動がどう受け止められていたのかに気づくケースもあります。

長男が語った…義娘が距離を置いた本当の理由

数ヵ月後、長男が一人で久美子さんを訪ねてきました。久美子さんはすぐに尋ねました。

 

「彩乃さんは、まだ怒っているの?」

 

長男はしばらく黙ったあと、静かに話し始めました。

 

「怒っているというより、ずっと苦しかったんだと思う」

 

彩乃さんは、日本での生活に慣れようと必死でした。言葉の壁、学校とのやり取り、地域との付き合い。長男が仕事で忙しいなか、分からないことを一人で抱え込むことも多かったといいます。

 

そこへ久美子さんから、食事やしつけ、日本語について何度も助言されるようになりました。久美子さんは支えているつもりでしたが、彩乃さんには「あなたのやり方ではだめ」と言われ続けているように感じられたのです。

 

「母さんが悪意で言っていないのは分かってる。でも、善意でも相手を傷つけることはあるよ」

 

その言葉に、久美子さんは何も言い返せませんでした。

 

久美子さんは、彩乃さんに手紙を書きました。言い訳ではなく、これまでの言葉が負担になっていたことを謝り、孫娘のことを大切に思っている気持ちだけを短く伝えました。

 

すぐに返事はありませんでした。それでも数週間後、長男を通じて孫娘の写真が一枚届きました。そこには、久美子さんが送ったぬいぐるみを抱いた孫娘の姿がありました。

 

関係が元通りになったわけではありません。彩乃さんと孫娘がすぐに日本へ戻るかも分かりません。それでも久美子さんは、以前のように「正しいこと」を伝えようとするのをやめました。

 

家族であっても、距離感を間違えれば傷つけてしまいます。特に子育てに関する言葉は、助言のつもりでも相手には批判として届くことがあります。

 

大切なのは、相手の暮らしや考え方を変えようとする前に、まず尊重する姿勢を持つことです。孫を思う気持ちがあるからこそ、親である夫婦の判断を信じ、必要とされたときに支える。その距離感が、家族の関係を長く穏やかに保つためには欠かせません。

 

 

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧