税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
分配金の高さで人気を集めている商品も
投資信託には、株式、債券、不動産、コモディティなど、投資する資産によって、さまざまな種類の商品を選択することができます。このことは投資家の方もよく理解されていると思いますが、いろいろな運用手法があることは意外に知られていません。
例えば、3階建て、4階建てと呼ばれている投資信託をご存知でしょうか。これらの投資信託では、商品の名前に「プレミアム」「アルファ」「トリプル」などの言葉が盛り込まれているケースが目立ちます。高い分配金を出していることで人気となり、全体の純資産総額が1兆3000億円に達しています。知らないうちに保有されている投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
商品を複雑にする「カバードコール戦略」
商品内容はとても複雑ですが、以下、1階建てから4階建てまで説明します。それぞれ次のような投資内容になります。
1階建て投資信託
一般的な投資信託はこのタイプ。株式や債券に投資をして、そこから上がるリターンを得る投資信託です。
\投資対象は株式、債券だけではない!/ 金融資産1億円以上の方向け
「本来あるべき」オルタナティブ投資 >>他、資産運用セミナー多数開催!
2階建て投資信託
通貨選択型と呼ばれる投資信託。投資対象の資産とは別の通貨を組み合わせるタイプです。
例えば、日本株式に投資をし、通貨はブラジルレアルを組み合わせます。ブラジルレアルは高金利通貨で金利差がプラスの収入になりますが、もしレアルが大きく下落すれば投信の基準価額に悪影響を及ぼします。そのため、日本株に投資しているのに、実際はブラジルレアルの変動に大きな影響を受けているということが起こり得ます。
3階建て投資信託
2階建ての通貨選択型に、「カバードコール」と呼ばれるオプション取引を組み合わせた投資信託です。
カバードコール戦略とは、投資対象(例えば日本株)の価格が大きく上昇した場合、一定水準以上の値上がり益を放棄する見返りとしてプレミアム(収入)を受け取る手法です。
予想以上に投資対象(例えば日本株)が値上がりした場合は、カバードコール戦略をとらないほうがよかったということになります。
4階建て投資信託
3階建て投資信託では投資対象(例えば日本株)に対してカバードコール戦略を取りましたが、さらに、通貨(例えばブラジルレアル)に対しても適用したのが4階建て投資信託です。
本来の投資対象(例えば日本株)の将来の値上がり益をカバードコールド戦略で放棄するだけでなく、さらに通貨(例えばブラジルレアル)の将来の値上がり益もカバードコール戦略で放棄することで、分配金を積み増そうとします。
複雑な設計で、高くなりやすい手数料
ここまでの説明を読んで、3階建てや4階建ての運用方法を理解できた方はほとんどいないのではないでしょうか。また、どういった局面で基準価額が上下するのかを予想できる方も少ないと思います。
実際に販売している金融機関の担当者でさえも、商品内容をきちんと理解し、運用経過を投資家の方へわかりやすく説明できる人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
この種の投資信託は購入時の手数料が3.5%程度と高いものが多く、信託報酬も1.5~2.0%かかるものが多くなっています。
そもそも、長期投資を前提としている投資信託で、値上がり益を放棄してまで、プレミアムを獲得する手法は必要でしょうか。
日本株が上がると思えば、日本株ファンドや日本株指数のETFを購入し、ブラジルレアルが上がると思えば、ブラジル債券ファンドやレアル建ての債券を購入すれば、投資の目的は達成されるはずです。
結論として、わからないものには投資しない、ということが重要でしょう。シンプルな投資である1階建て投資信託を、基本にして投資を検討していただければと思います。
日本経済の行方、米国株式市場、新NISA、オルタナティブ投資…
圧倒的知識で各専門家が解説!カメハメハ倶楽部の資産運用セミナー
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【12/10開催】
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【12/10開催】
不動産「売買」と何が決定的に違うのか?
相続・事業承継対策の新常識「不動産M&A」とは
【12/11開催】
家賃収入はどうなる?節目を迎える不動産投資
“金利上昇局面”におけるアパートローンに
ついて元メガバンカー×不動産鑑定士が徹底検討
【12/12開催】
<富裕層のファミリーガバナンス>
相続対策としての財産管理と遺言書作成
【12/17開催】
中国経済×米中対立×台湾有事は何処へ
―「投資先としての中国」を改めて考える