お兄ちゃんは何もしてくれなかったくせに…! 母親を介護した50歳長女に、実家への帰省は年に数回の53歳長男が“遺産3,400万円の半分”を要求。「親の面倒を見た子どもが遺産を多くもらえるはず」と信じた長女に突きつけられた<無慈悲な事実>【司法書士が解説】

お兄ちゃんは何もしてくれなかったくせに…! 母親を介護した50歳長女に、実家への帰省は年に数回の53歳長男が“遺産3,400万円の半分”を要求。「親の面倒を見た子どもが遺産を多くもらえるはず」と信じた長女に突きつけられた<無慈悲な事実>【司法書士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

親の相続で揉める家庭は、もともと家族仲が悪かったケースばかりではありません。むしろ、親が元気なうちは何となく保たれていた家族関係が、相続をきっかけに一気に崩れてしまうことがあります。特に多いのが、親の介護をしていた子どもと、ほとんど介護に関わらなかった子どもの間で起こるトラブルです。「母の面倒を見ていたのは私なのに、相続になったらきっちり半分を主張するなんて納得できない」…このような不満は、相続の現場で決して珍しいものではありません。実際に、親の面倒を見ていた子どもの相続分が、ほかの兄弟姉妹よりも増えることはあるのでしょうか。相続に強い司法書士の佐伯知哉氏が解説します。

買い物、病院の付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせ…母親の面倒を一人で見てきた長女

美智子さん(仮名・50歳)は、実家から車で15分ほどの場所に住んでいます。

 

父親はすでに亡くなっており、実家では母親が一人暮らしをしていました。

 

母親が75歳を過ぎたころから、少しずつ物忘れが増え、足腰も弱くなっていきました。買い物に行くのが大変になり、病院の付き添いが必要になり、役所の手続きや介護サービスの手配も一人では難しくなっていきます。

 

美智子さんには兄の康太さん(仮名・53歳)がいますが、結婚して遠方に住んでいます。さらに仕事も忙しいことから、実家に帰ってくるのは年に数回程度でした。

 

そのため、近くに住む美智子さんがいつも母親の面倒を見ていたのです。

母親から電話があれば仕事の合間を縫って実家に向かい、病院の予約を取って診察に付き添い、薬の管理をする。介護認定の申請を手伝い、ケアマネジャーとの打ち合わせにも同席する。入院すれば着替えを持って病院に通い、退院後の生活環境も整える。母の預金口座からは月々10万円ほどを生活費や医療費として支払い、通帳とキャッシュカードの管理も自然と美智子さんが担うようになりました。

 

この生活が、母親が85歳で亡くなるまで、10年近く続きました。

美智子さんとしては、母親のために当然のことをしているつもりでした。ただ、心のどこかには「兄は何もしてくれない。たまに電話をしてくるだけで、実際に動くのはいつも私」という不満もありました。それでも、母親のことを思えば仕方がないと、自分を納得させながら介護を続けてきたのです。

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本記事は、司法書士法人さえき事務所代表の佐伯知哉氏が解説します。

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