娘たちが38歳になるまで、遺産にアクセスできない仕組みを用意
自分の子どもたちも銀行口座や投資口座を開設し、実際に投資を始めることができる年齢になった。しかし、娘たちはまだあまり興味を示していない。もし興味を持てば、私は全力でサポートするが、無理強いはしない。「株って何?」と聞いてくれたら、それだけで嬉しいのである。興味を持たなければ、そこに価値はないのだ。
財産や遺産についても、彼女たちが適切な年齢になるまでは管理される仕組みを用意している。具体的には、38歳になるまで遺産にアクセスできない計画である。これは、彼女たちが経済的に自立し、成熟した判断力を持つ頃に、初めて自由に活用できるようにするためである。
海外で生活する娘たち…寂しいけれど、戻ってきてほしいとは考えていない
娘たちが海外で働くことになれば、私がシンガポールを離れ、近くに住むことも考えたが、今も私はここでとても幸せに暮らしている。シンガポールは住みやすく、都市機能も非常に整っているからである。
もちろん、長女が住むニューヨークは、長年私も住んでいた場所で、魅力的な都市である。ただし、劇場やレストランは豊富であるが、生活はシンガポールほど快適ではない。タクシーを捕まえるのですら大変なのだ。住みやすさという点では、シンガポールのほうが圧倒的に優れていると感じる。だから、今の段階では娘たちを遠くで見守る方向で考えている。
まったく寂しくないわけではないが、娘たちにシンガポールに戻ってきてほしいとは考えていない。彼女たちは非常に自立心が強く、おかげで私自身も親として成長を続けることができたと思う。時折り、その変化を受け入れるのが難しいこともあるが、それが現実である。
家族から離れて暮らすと、孤独を感じることもあるだろう。しかし、それも成長のためには必要な経験である。私は、娘たちが成長し、独り立ちする姿を見守っていく。
娘たちが安全かつ自由に挑戦できる環境を提供することこそ、親としての重要な責任だと考えている。家族がそばにいることも大切だが、彼女たちには自分自身の道を歩んでほしいと願っている。数十年前、私が若かった頃と比べても、子どもたちはすでに自分の道を歩んでいるのだ。
未来は誰にもわからない。私自身も21歳の頃は自分が世界でもっとも賢いと思っていたが、実際には自分が知っていると思っていたことのほとんどが間違っていたのである。
だからこそ、娘たちにも自分の状況や世界で起きていることを理解させたいと思っている。ただし、彼女たちはまだ完全には理解していない。私の役割は、彼女たちを支え、助けることである。もちろん、彼女たちは間違いも犯すであろう。
娘たちには彼氏が…いつの時代も父親心は複雑
一つだけ困ったことがある。今、娘たちは2人とも彼氏がいることだ。「男の子たちについては常に注意するように」と言い続けてきた私自身は、彼らを認めていない。しかし、もちろんそんなことは聞いてもらえるはずがない。
女の子がボーイフレンドを持つことに反対する親は多いが、現実はどうしてもそうなってしまう。いつの時代も、若い人はなかなか大人の言うことは聞かないし、それを止める方法も見つからない。
ジム・ロジャーズ
投資家
