安いというだけで買った株は、さらに「ゼロ」に近づいてしまう可能性がある
相場が暴落すると、すべての株が安くなる。多くの人は「安くなったら買えばいい」と単純に考えがちである。しかし、私はいつもこう言っている―ただ安いからといって買うのは危険だ―と。
過去の歴史を見ても、暴落時には多くの株価が80%以上、場合によっては90%以上も下落することがある。市場は合理的ではなくなり、人々はパニックに陥る。しかし、こうした局面こそ冷静な投資家にとって最大のチャンスとなる。現時点で私は「どの銘柄やセクターを買うか」は決めていない。暴落時には、どのセクターがもっとも大きく下落するかを予測できないからである。
大切なのは、その国やその国の市場がこれからどうなるのかを見極めることである。たとえば、ある国の市場が暴落して株価が10分の1になったとしよう。しかし、その国の政治が腐敗していたり、人口が減っていたり、産業に将来性がなかったりするのであれば、安くなった株はさらに「ゼロ」に近づいてしまう可能性がある。安いものが必ずしも「お買い得」なわけではないのである。
逆に、株価が暴落した国でも、人口が増えていたり、競争力のある産業が育っていたり、政府が改革を進めているのであれば、そこには大きなチャンスがある。たとえば、過去には韓国や中国が危機的な状況から大きく立ち直り、その後、投資家に大きなリターンをもたらしたことは、いい例だろう。
株価暴落が真のチャンスかどうかを見極めるには、「価格ではなく価値を見る」
だからこそ、私の投資哲学は「価格ではなく価値を見る」なのだ。暴落は私たちに冷静な目を試す機会を与えてくれる。感情に流されて「皆が売っているから自分も売る」「安いからとりあえず買う」と考えるのではなく、その国の長期的な将来性、人口動態、政治の安定性、資源や競争力をしっかり分析しなければならないのである。
要するに、暴落は恐怖ではなく大きなチャンスだが、真のチャンスかどうかは「その国や市場が今後どうなるか」を見極めることにかかっている。
まず確認すべきなのは、政府が経済や投資に対して前向きかどうかである。政府が支援に積極的で、投資コミュニティを後押ししようとしている場合、その国の市場全体が回復しやすくなる。国単位であれ、あるセクター単位であれ、政府が積極的に関わっているのであれば、それは有望な兆候だと言える。
