「おじいちゃん、大好き!」孫の可愛い笑顔を拒めなかった〈年金月7万円・貯金70万円の72歳祖父〉の葛藤。大混雑の遊園地で“1日で5万円”を散財した、老後資金を脅かす恐怖の1日【FPの助言】

「おじいちゃん、大好き!」孫の可愛い笑顔を拒めなかった〈年金月7万円・貯金70万円の72歳祖父〉の葛藤。大混雑の遊園地で“1日で5万円”を散財した、老後資金を脅かす恐怖の1日【FPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

老後になって、手元の預金残高が減っていくのを見るのは、なんともいえない恐怖が伴うものです。特に限られた年金でやりくりする世帯や、厚生年金のない元自営業者の場合、目に見える現金が少ないだけで焦りを感じがちです。しかし、資産の形は現金だけとは限りません。本記事では高橋茂さん(仮名)の事例とともに、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が家計の「見える化」の重要性について解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

老後に必要なのは「使わないこと」ではなく「見える化」

総務省の「家計調査(2025)」によると、高齢夫婦無職世帯の平均的な実収入は月25万円前後となっています。一方で、支出も20万円を超えており、多くの世帯が預貯金の取り崩しをしながら生活しています。

 

高橋さん夫婦の場合、自営業だったため厚生年金がほとんどなく、公的年金だけでは十分とはいえません。

 

ただし、高橋さんのケースで重要なのは、年金額・貯蓄額とは別にあります。ファイナンシャルプランナーの視点からいえば、高橋さんは、実際にはそれほど深刻な状況ではない可能性があるのです。高橋さんはいまでも仕事があり、収入もあります。さらに、預金は少ないものの、終身保険と養老保険を合わせれば1,100万円程度の資産を保有しています。にもかかわらず、不安を感じる理由は「全体像が見えていないから」です。

 

今後何歳まで働く予定で、年間どの程度の収入が見込めるのか。保険や年金はいつ受け取るのか。そもそも、自分たちが生きていくために毎月の生活費はいくら必要なのか。——こうした情報を整理し、将来の収支を見える化することで、「孫のために年間いくらまで使えるのか」という目安もわかります。

 

また、孫たちとの思い出づくりをすべて祖父母だけが負担する必要はありません。親である子どもたちにも一部を負担してもらうことは決して悪いことではないでしょう。

 

大切なのは、使うことそのものではなく、無理なく使える範囲を把握することです。老後資金は「節約だけ」で守るものではありません。収入、資産、支出のバランスを把握し、長期的な計画を立てることこそが、本当の安心につながります。

 

老後資金は計画的に「使うため」にある

孫との時間は、多くの祖父母にとってかけがえのないものです。だからこそ、「おじいちゃん大好き」といわれれば、つい財布の紐も緩んでしまうでしょう。しかし、物価高騰やレジャー費用の上昇によって、家族との楽しいイベントが思った以上の出費になる時代になっています。

 

大切なのは、お金を使うことを我慢することではなく、計画性を持って使うことです。

 

現状を見える化し、「この範囲なら安心して使える」という基準を持てば、お金を使ったあとに不安になることも少なくなります。老後のお金は、ただ残すためにあるのではなく、人生を楽しみ、大切な家族との思い出を作るために使うものでもあります。

 

だからこそ、感情だけで使うのでも、過度に我慢するのでもなく、計画的に使うことが、豊かな老後を送るための重要なポイントといえるでしょう。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

 

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