2027年4月以降は国債買入れ予定額の減額を停止
同時に、長期国債買入れ予定額の「減額停止方針」も、賛成7、反対1の賛成多数で可決されました。計画通り2027年1〜3月期までは四半期ごとに2,000億円ずつの減額を進めるものの、市場の安定確保の観点から、同年4月以降は追加の減額を停止し、月間2兆円程度の買入れペースを維持することになります(図表2)。これに対し、田村委員は「長期金利の形成は市場と市場参加者に委ねるべき」として減額の継続を求める修正案を提出したものの、反対多数で否決されました。
さらに、声明文におけるフォワードガイダンス(今後の政策指針)の文言にも微修正が加えられました(図表3)。今回の利上げにより、従来の「実質金利がきわめて低い水準にあること」との記述が、「金融環境が緩和的であること」に変更されたと考えられます。もっとも、金融緩和の度合いを調整していく方針は維持されています。
内田副総裁の会見は10月の追加利上げを裏付ける内容
内田副総裁は今回利上げした理由について、経済が中心的な見通しに沿って推移していることに加え、原油高などを背景に基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」を超えて上振れていくリスクが高まったためと説明しました。
今後の政策判断にあたっては、中立金利の推計はレンジが広く、政策判断に直接用いることは難しいと述べ、特定の水準にとらわれることなく実体経済・物価動向を踏まえた総合的な判断を重視する姿勢を示しました。また、現在の金融環境は引き続き「緩和的」であると位置づけ、今後も利上げを継続していく方針を明確にしています。
短中期ゾーンを中心に実質金利が依然としてマイナス圏にあるなか、副総裁は「金融環境全体を見ている」と述べており、利上げが企業の資金需要やマインドに悪影響を及ぼさないかを慎重に注視しているとみられます。
利上げのペースについては、基調的な物価上昇率が2%に近づいていることを踏まえると、これを2%程度の水準で安定させていく観点が重要になるとして、期待インフレの動向の重要性が一段と高まっている点を指摘しました。これは、経済・物価見通しの実現確度が高まった場合に加え、インフレ期待がさらに上昇すれば、追加利上げの必要性を検討する契機となることを示唆していると考えられます。今回の内田副総裁の会見内容は、10月会合で0.25%の追加利上げに踏み切るという、弊社のメインシナリオを改めて裏付ける結果であったと考えています。
東京海上アセットマネジメント
※上記は過去の実績及び将来の予想であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。
※上記は作成日時点の弊社の見解であり、今後、予告なく変更することがあります。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「Market Report 2026年6月17日」をTHE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「Market Report 2026年6月17日」をご確認ください。
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