1月以来となる0.25%の追加利上げを決定
日本銀行は12月18日、19日に開催した金融政策決定会合において、全会一致で政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)の誘導目標を現行の0.50%程度から0.75%程度へ0.25%引き上げることを決定しました(図表1)。
今回の利上げは1月会合以来、約11ヵ月ぶりの追加利上げとなります。これにより政策金利水準は1995年以来、約30年ぶりの高水準に達することとなり、日銀の金融政策正常化プロセスが着実に進展していることを示しています。
植田総裁は12月1日の名古屋での講演において、米国経済の動向や来年春闘での賃上げモメンタムについて、利上げの条件をおおむね満たしているとの考えを示していました。
このため、市場では12月会合での利上げを事実上予告したとの受け止めが広がっており、今回の決定は市場のコンセンサスに沿ったものと考えられます。
利上げ後も緩和的な金融環境の維持を示唆
声明文では、利上げの根拠として、「米国経済や各国通商政策の影響を巡る不確実性は引き続き残っているものの、低下している」ことや、「来年は、今年に続き、しっかりとした賃上げが実施される可能性が高い」ことが指摘されました。
また、利上げ後も「実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持」されるとして、利上げ余地が残された格好となりました(図表2)。
今回の決定内容は大方の予想通りであったことから、植田総裁の記者会見において、利上げペースや利上げ余地(中立金利と政策金利の距離)について何らかの示唆があるか否かに注目が集まりました。


