賛成7、反対1で利上げを決定、浅田審議委員は反対
日本銀行(日銀)は6月15日、16日に開催した金融政策決定会合で、大方の予想通り、政策金利(無担保コールレート)を従来の0.75%程度から1.00%程度へ引き上げることを決定しました(図表1)。今回の利上げ判断の背景には、原油高に伴う物価の上振れリスクへの警戒があります。中東情勢は一部緩和の兆しがあるものの、国内では価格転嫁が想定以上のスピードで進行しています。今回の決定は、政策対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」を回避する狙いがあったと考えられます。
なお、今回の会合は、植田総裁が感染症の治療のため入院し欠席するという異例の体制下で行われました。総裁不在での採決は1998年の新日銀法施行以来初めてのことではあるものの、総裁自身が事前の講演で利上げの可能性を示唆していたため、市場では今回の利上げ自体は織り込み済みとなっていました。
実際の票決は、総裁を除く政策委員8人によって実施され、賛成7、反対1の賛成多数で可決されています。このうち、4月に就任した浅田審議委員は、物価の上振れリスクよりも生産や雇用の下振れリスクの方が大きいことを理由に挙げ、唯一現状維持を主張し反対票を投じました。

