専門家の視点|援助の問題は「金額」よりも「目的」
今回のケースで問題だったのは、年間60万円という援助額そのものではありません。息子が経済的に困っていて、親子で話し合ったうえで支援しているのであれば、大きな問題にはなりにくいでしょう。
一方で由美子さんの場合は、息子が求めていないにもかかわらず援助を続けていました。その背景には、「必要とされたい」「役に立ちたい」という気持ちがあったのでしょう。こうした思いは自然なものですが、援助が親自身の安心感を満たすための手段になると、子どもの自立を妨げたり、親子関係に負担をかけたりすることがあります。
また、65歳以降は医療費や介護費用など予測しにくい支出も増えます。老後資金を守るためにも、「本当に相手が必要としている支援なのか」「自分の生活に無理はないか」を定期的に見直すことが大切です。
成人した子どもに対する親の役割は、先回りして助けることではなく、必要なときに支えられる存在でいることだといえるでしょう。
「子どものために」と思って続けていた行動が、実は子どもの負担になっていた。親子関係では珍しくない話です。だからこそ、援助を続ける前に『これは相手のためか、それとも自分の安心のためか』を一度立ち止まって考えてみることが大切なのです。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
【注目のセミナー情報】
【資産防衛】6月17日(水)オンライン開催
《財務・資産承継戦略》
令和版「お宝保険」の正体とポテンシャルは?
【資産運用】6月18日(木)オンライン開催
《決算対策・財務戦略》
2026年版・太陽光投資の“4つのメリット”
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
