前回は、子どもにお手伝いをさせたら、必ず「感謝の言葉」を言うべき理由を説明しました。今回は、子どもに「勉強は楽しい」と思わせる方法を見ていきます。

「与えられる一方」の勉強では、楽しいとは思えない

高校・大学の受験を控えた子どもをもつ親御さんたちが、もっとも気になっている点といえば、やはり学習面でしょう。

 

「苦手な教科や分野がある」「テストでなかなか点がとれない」といった心配事もあれば、「机に向かおうとしない」「本人にどうにもやる気がない」といった悩みもあります。子どもの将来を考えるとこのままではどうなってしまうのかと、不安を抱く親御さんは少なくありません。

 

それでは肝心の学習については、どのように取り組ませるのがいいのでしょうか。私たち学院の授業では「勉強はとにかく楽しく!」をモットーにしています。

 

学習というのは本来、楽しいものです。学習によって知らなかったことを新しく知り、昨日までできなかったことが今日できるようになることは、子どもにとって好奇心を満たし、成長を実感できる嬉しい瞬間です。

 

しかし実際には、毎日学校に通ってはいるものの、学習に意欲や興味をもてない子がたくさん出てきてしまっています。理由の一つは、学校の授業の多くは「子どもが主役」になっていないからです。

 

通常の学校の授業では、先生が授業時間中ずっと教壇に立って熱弁をふるい、生徒は席に座って先生の教えをじっと聞く、という形式が一般的です。これでは授業の主役は先生であり、生徒は聴衆にすぎません。

 

こういう受け身で与えられる一方の勉強は、なかなか楽しいとは思えないものです。親御さんもおそらく学生時代には、ただ淡々と教師の話を聞く退屈な授業で、睡魔と闘った経験があるのではないでしょうか。

教える人自身が「学ぶ楽しさ」を子どもたちに見せる

それに対して、当校の授業は「立体授業」という独自のスタイルをとっています。立体というのは、生徒がただ席について話を聞くだけでなく、教壇に立ち自分の考えを発表したり、黒板に答えを書き込んだりしながら立体的に学ぶことです。

 

たとえば英単語を覚える場合も、先生が覚えさせたい単語を黒板に書き出します。次に黒板の文字を消し、生徒に前に出てきて書いてもらい、その生徒が指名した別の子に読ませるなど動きながら学び、そして5分ほどして確認テストをして定着を図ります。

 

先生も生徒も教室中を動き回りながら、理解や記憶、確認などをしていきます。ときには外に出たり、公園で授業をすることもあります。この授業では、あくまでも主役は生徒で、先生は子どもを支える脇役に徹するのです。

 

また教える人自身が、学ぶ楽しさを子どもたちに見せることも常に意識しています。

 

中学の英語では一週間の曜日を学びますね。Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday,Thursday, Friday, Saturdayです。これをSundayからSaturdayまで順に言ってみてください。一週間の曜日が言えましたか。

 

それが言えたら次に逆順、つまりSaturday,Friday, Thursdayというように、曜日を遡って言ってみてください。慣れないと、意外と難しいと思うはずです。

 

当校の英語講師たちは、この曜日の英単語一往復をわずか5秒で言います。これを初めて聞いたときは、早口言葉のような英単語の弾丸トークに、生徒たちから「オーッ!!」と感嘆の声が必ず上がります。そして生徒も、曜日一往復を何秒で言えるかに、ゲーム感覚で挑戦しています。

 

教える側が生徒の憧れになるような姿を見せ、学ぶことは楽しい、カッコイイと思わせることができれば、生徒は自分からどんどん学習に取り組むようになります。

学力は「食育」でつくられる。

学力は「食育」でつくられる。

池上 公介

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強は「基礎が大事」と言われます。基礎がきちんとしていなければ、その上にいくら知識を積み上げても結局崩れてしまいます。同様に、学習に取り組む意欲や自己を律する自制心、困難に負けずに学び続ける気力・体力も大切です…

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