前回は、子どもに「勉強は楽しい」と思ってもらう方法を説明しました。今回は、子どものテストの点がよくない時、親はどんな言葉をかけるべきかを見ていきましょう。

否定の言葉を並べると、子どもはやる気を失ってしまう

家庭の学習では、親が先生になって同じように指導をするのは難しいでしょう。それは専門の講師と親とでは役割が違うのですから当然です。家庭での学習に悩んでいる親御さんに私がアドバイスしているのは、子どもの学習意欲をそぐような「否定」をしないということです。

 

子どもが学校の定期テストで67点をとってきたとします。そのときにこんなふうに言っていないでしょうか?

 

「67点しかとれなかったの? ちゃんと勉強しないからよ。○○ちゃんなんて90点以下なんかとったことがないのよ!」

 

テストの点が芳しくなかったときは、子どもも「この点じゃ、お母さんがなんて言うかな」と気が気ではないのです。怒られるんじゃないか、嫌なことを言われるだろうなと心配でたまらないのです。

 

そこへ、傷口に塩を塗るように否定の言葉を並べてしまうと、子どもは打ちのめされた気分になり、ますますやる気を失ってしまいます。

まずはほめられる点を探し、「小刻みの目標」を示す

では、なんと言えばいいのでしょうか。正解は「あら、67点も取れたのね。すばらしい!」です。58点でも、35点でも同じです。「それほど勉強しなかったのに、よくそれだけとれたね」と、なんとかほめる点を探して労ってあげてください。

 

するとテストの結果を突き付けられて落ち込んでいた子どもも、母親が怒らずに元気付けてくれたことで「また次を頑張ろう」と思えるようになるものです。

 

このとき大事なのは、「今度は90点以上とるのよ!」などと決して言わないことです。「次は68点とれるといいね」と、小刻みに方向を示してあげてください。そして次のテストで72点をとれたとしたら、「あら、目標より4点も多くとったの。おめでとう!頑張ったね」と大いに喜んであげるのです。

 

この方法を実践しながら途中で伸び悩み、点数が下がってしまうことがあっても、子どもを責めてはいけません。「今回は勉強したところとテストが合わなかったのかな。この努力は無駄にはならないよ」などとフォローして、また親子で気を取り直して小刻みに進めていけばいいのです。

 

当校でも、もともと勉強をあまりしてこなかったような子も、この小刻みの目標と励ましによってぐんぐん成績を伸ばしています。

 

子どもの出来の悪いテストの点数を見てカッとなってしまうのは、いうなれば親の焦りです。子どもの学力を伸ばしていくには「焦りは禁物、欲張りはなお禁物」と心に留めておいてください。

学力は「食育」でつくられる。

学力は「食育」でつくられる。

池上 公介

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強は「基礎が大事」と言われます。基礎がきちんとしていなければ、その上にいくら知識を積み上げても結局崩れてしまいます。同様に、学習に取り組む意欲や自己を律する自制心、困難に負けずに学び続ける気力・体力も大切です…

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