なぜ婚約指輪はダイヤなのか? 商品を変えずに「売上300億円」を達成した驚きのマーケティング

なぜ婚約指輪はダイヤなのか? 商品を変えずに「売上300億円」を達成した驚きのマーケティング

広告を打っても売上が伸び悩んでいる、商品の知名度はあるはずなのに選ばれない……それは、消費者の頭の中で商品のイメージや期待値が固定化されてしまっているからかもしれません。本記事では、松本淳氏の著書『ヒット商品を生み出す!認識のからくり』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集して、歴史的な名プロモーションや身近なビジネスの再生劇から紐解く、莫大な開発投資をせずとも消費者の行動を劇的に変える「認識の魔力」について解説します。

確信に変わった認識の魔力

認識が生まれる背景はさまざまです。過去に受けた強烈な印象が原因になることもあれば、日常生活のなかで何度も繰り返し偏った情報に触れたりすることで形成されていくケースもあります。

 

ダイヤモンドの例が示すように、企業は戦略的なコミュニケーションによって、消費者に新たな認識を伝えることもできます。つまり、消費者の認識を意図的に変えることで、停滞した商品に新しい価値を吹き込むことも可能だということです。筆者がその可能性を強く実感したのが、あるグラノーラブランドの再生プロジェクトでした。

 

当時の市場では、シリアル食品全体に対して消費者はネガティブな認識を持っていました。「子どもの朝食」「手抜きの代名詞」といったイメージがあり、発売から20年を過ぎて売上が伸び悩んでいました。実際、製造ラインは複数あるうちの1本のみ、しかも半日だけ稼働している状況でした。当時のクライアントの要望は「製造ラインを毎日フル稼働させたい」という切実なものでした。

 

商品そのものは、栄養バランスに優れ、食物繊維や鉄分を豊富に含み、ドライフルーツとナッツの自然な甘みを持つ優れたものです。それでも売れなかったのは、グラノーラブランドが属するシリアル食品に対するネガティブな認識が、消費者の購買意欲を妨げていたからです。

 

そこで私たちは、グラノーラブランドの置かれている状況を変えるために、グラノーラとシリアルは別物という、グラノーラブランドに対する認識を更新してもらう戦略を立てました。そこで注目したのがヨーグルトです。高い頻度で朝食に上がるメニューをいくつか挙げるなかで、際立っていたのがヨーグルトでした。

 

それまでのシリアルブランド各社は、朝食はパンかごはんかシリアルという選択を消費者に提案していました。こうしたマーケティング活動を数十年継続した結果、シリアル食品を選択している人は1割程度でした。このような背景から、そもそもビジネスの土俵(戦う場所)を変えないと売上を伸ばすことができないと考えました。だからこそ、グラノーラブランドと従来のシリアルを同じようなものという認識のままでは売上を伸ばすことはできないと考えました。

 

そこで、選んだ戦略が「ヨーグルトの友達」になることでした。「ヨーグルトの友達」になることで、今までのシリアルとはちょっと違う、「シリアルの友達」ではない、という認識に更新することを狙ったのです。

 

その後、「朝活」ブームを背景に、「第三の朝食」「朝食革命」といった社会トレンドに呼応したブランドの姿勢を打ち出し、フルーツグラノーラをシリアルブランドではなく「朝食ブランド」の文脈で語るようにしました。これによってフルーツグラノーラブランドを、シリアル食品よりももう一段上の朝食の選択肢と位置づけたのです。

 

この戦略は見事に成功しました。2012年のテレビ特集をきっかけに売上は急拡大し、工場の稼働率は一気に上昇。プロジェクト開始時の売上は三十数億円でしたが、最盛期には年間売上約300億円へと成長し、製造ラインも増設されました。フルーツグラノーラは「パンとごはんに次ぐ第三の朝食」として、従来のシリアル食品と異なる地位を確立したのです。注目すべきは、商品の中身が一切変わっていないという点です。変えたのは、消費者の認識だけでした。

 

この経験を通じて、筆者は認識転換に対して確信を深めました。そして、この認識を再設計することこそが、停滞したブランドや事業を再生させることができる一手だと考えるようになりました。

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【事業投資】7月7日(火)オンライン開催
《投資収益×税金対策》
「ワーキングブース投資」の全貌

 

【国内不動産】7月14日(火)オンライン開催
東急不動産HDグループの会社とオリコが全面支援!
インバウンド時代の「民泊・旅館業」投資戦略

 

 

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

※本連載は、松本淳氏の著書『ヒット商品を生み出す! 認識のからくり』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、解説します。

ヒット商品を生み出す! 認識のからくり

ヒット商品を生み出す! 認識のからくり

松本 淳

幻冬舎メディアコンサルティング

消費者の「認識」を変えることが “売れる”“選ばれる”商品をつくるカギ 驚き 象徴 現象 納得  4つの要素を駆使して 商品やブランドの市場価値を高める! 多くの企業が「認知度を上げれば売れる」と信じ、商品や…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧