(※写真はイメージです/PIXTA)

タワーマンションは、都市部で働く共働き世帯にとって憧れの住まいの一つです。駅近の利便性、高層階からの眺望、充実した共用施設。資産価値への期待もあり、「多少高くても買う意味がある」と考える人も少なくありません。しかし、実際に暮らし始めると、購入前には見えにくかった維持費や生活上の不便さが重くのしかかることがあります。

高収入夫婦が感じた「身動きの取りづらさ」

タワーマンションでの暮らしは、便利な面も多くありました。駅に近く、通勤も楽。雨の日でも建物内の共用部は快適で、セキュリティ面の安心感もあります。

 

それでも由香さんは、次第に「自分たちには少し背伸びだったのかもしれない」と感じるようになりました。

 

理由の一つは、支出の固定化です。住宅ローンは簡単には減らせません。管理費や修繕積立金も、将来的に下がるとは考えにくい費用です。外食や旅行を減らしても、住居費だけは毎月確実に出ていきます。

 

「節約しても、いちばん大きな支出は変えられないんです」

 

さらに、住み替えも簡単ではありませんでした。「いざとなったら売ればいい」と思っていたものの、住宅ローン残高、売却時の諸費用、次の住まいの価格を考えると、すぐに動ける状況ではありません。

 

また、子どもの保育園や通勤ルートもあり、生活圏を変えることへの不安も大きくなっていました。

 

ある夜、雄一さんがベランダから夜景を見ながら言いました。

 

「この景色、最初はすごく感動したのにな」

 

由香さんは、静かに答えました。

 

「今は、支払いのことを考えちゃうね」

 

その言葉に、雄一さんは返す言葉がありませんでした。

 

現在、夫婦は家計を見直し、車を手放すことや、教育費の積み立て方法を改めて検討しています。タワーマンションをすぐに売却する予定はありませんが、「住み続ける前提」を見直し始めたといいます。

 

「買ったことを全部後悔しているわけではありません。でも、“高層階に住めば幸せになれる”という考えは、少し単純だったと思います」

 

住まいは、暮らしを豊かにする大切な要素です。夫婦が気づいたのは、幸せな住まいとは「人に羨ましがられる場所」ではなく、自分たちが無理なく暮らし続けられる場所なのだということでした。

 

 

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