“オルカンの生みの親”が教える「投資で最も損をする人」の共通点…25歳から毎月2万8000円、老後に1億円を見込める「地味に強い」投資手法

“オルカンの生みの親”が教える「投資で最も損をする人」の共通点…25歳から毎月2万8000円、老後に1億円を見込める「地味に強い」投資手法
(※写真はイメージです/PIXTA)

2000年代の日本の家計における投資信託の割合は、わずか3%にすぎませんでした。ITバブル崩壊やリーマン・ショックなど大きな下落相場を経験したこともあり、「投資=危ない」という心理が根強かった時代です。その後もコロナ禍や中東情勢など、市場を揺さぶる出来事は数多く起こっていますが、投資は徐々に普及し、特に低コストで分散投資できる投資信託は多くの人に受け入れられるようになりました。本記事では、オルカンの生みの親・代田秀雄氏の著書『オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(Gakken)より、「長期投資の本質」を紐解いていきます。

お金を「使う」行為の恩恵

また、お金を「使う」という行為は、単に個人の幸福を追求するためだけのものではありません。そのお金が消費や投資を通じて企業活動を支え、さらに雇用や所得として社会に還元されていく――。つまり、私たち一人ひとりの行動が、経済全体を動かすインベストメントチェーンの一部を担っているのです。

 

1990年代まで自国中心にしか投資を考えてこなかった米国人でさえ、今や、グローバル分散投資を重視する時代です。個人が世界の成長に参加しながら、自らの未来を形づくる。そうした投資の広がりこそが、より豊かな社会をつくる力となるのです。

35年間、毎月2万8000円をコツコツ積み立てると…

ここで、実際に長期でコツコツと積み立てを続けた場合、どれほどの成果が期待できるのか、具体的な数字で見てみましょう。

 

オルカンが設定されたのは2018年であり、ファンドとしての運用実績はまだ長期とはいえません。ただし、このファンドはMSCI ACWI[アクウィ](全世界株式指数)に連動するものです。その年次リターンをまとめたのが次のグラフです。

 

出所:MSCIデータより著者作成
[図表1]MSCIACWIの1年のリターン推移 出所:MSCIデータより著者作成

 

これを見ると、2000〜2002年のITバブル崩壊、2008年〜のリーマン・ショック、2010〜2012年ごろの欧州債務危機といった、世界経済に大きな打撃を与えた局面をすべて含んでいます。それでも、この期間の年平均リターンは9.72%となっています。長期で見れば、世界経済の成長が株式市場を押し上げてきたことは、データ上でも確認できるわけです。

 

たとえば、この9.72%という過去の平均リターンが今後も続くと仮定すれば、25歳から60歳までの35年間、毎月2万8000円を積み立てることで、投資元本約1180万円が、最終的に約1億円に到達する計算になります。

 

しかし、ここで注意すべき点があります。この試算はあくまで「過去の平均値を、そのまま未来に当てはめた」ものであり、現実の投資とは大きく異なります。実際には、リターンは年ごとに大きくばらつき、平均通りに積み上がることはありません。

 

仮に目標を「1億円」と明確に定めた場合でも、前提とするリターンによって、必要な積立額は大きく変わります。たとえば、年率7%を想定すれば毎月約5万5000円、5%を前提にすれば約8万8000円が必要になります。つまり、同じ目標額でも、前提次第で負担は大きく変わってしまうのです。

 

このように、投資とは、将来の成長を期待して「不確実性を引き受ける行為」であり、あらかじめ特定の金額に到達することを約束してくれるものではありません。にもかかわらず、目標額だけを固定してしまうと、リターンのブレに一喜一憂しやすくなり、投資行動そのものが不安定になります。

 

もちろん目標額を設定すること自体は悪いことではありませんが、それよりも重要なのは、長期・分散で市場に居続けること、そして無理なく続けられる積立額を設定することです。

 

結果としてどこまで増えるかは、市場が決めます。その不確実性を受け入れたうえで時間を味方につけることこそが、投資運用の本質だといえるでしょう。

 

次ページ長期投資で「20年は投資しましょう」といわれる理由

※本連載は、代田 秀雄氏の著書『オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書』(Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書

オルカン思考:世界経済を味方につける「長期投資」の教科書

代田 秀雄

Gakken

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