「1DKで十分だった」転居後に見えた暮らしの変化
数ヵ月後、夫婦は戸建てを売却し、公営住宅への転居を決めました。間取りは1DK。以前の家と比べると大幅にコンパクトな住まいです。
「最初は不安もありました。でも、実際に暮らしてみると、これで十分だと思いました」
家賃は大幅に下がり、固定費の見通しが立つようになりました。掃除の負担も減り、日常の動線もシンプルになりました。
「移動が楽なんです。全部が一つの空間に収まっているので、体への負担も少ない」
一方で、戸建てを手放すことへの寂しさがなかったわけではありません。
「思い出もありましたし、最初は少し喪失感もありました」
それでも、生活を続けていくうちに、その感情は少しずつ変わっていきました。
「安心感のほうが大きくなっていきました。先の見通しが立つと、それだけで気持ちが違います」
大きく何かが劇的に改善したわけではありません。生活はこれまでと同じように続いています。ただ、日々の負担と不安が少しずつ軽くなりました。
「家を小さくしたというより、暮らしを身の丈に合わせた感覚です」
持ち家を手放すことは簡単な決断ではありません。それでも、老後の生活を続けるためには、「持ち続けること」より「無理なく暮らせること」を優先する場面もあります。
「マイホームが安心だと思っていました。でも、私たちにとっては、手放すことが安心につながりました」
老後の住まいに正解はありません。山本さん夫婦にとっての答えは、「広い家に住み続けること」ではなく、「続けられる暮らしに変えること」でした。
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