(※写真はイメージです/PIXTA)

退職後、「これまでできなかったことを楽しみたい」と考える人は少なくありません。旅行や趣味にまとまったお金を使うこと自体は自然な選択です。ただし、老後の家計は現役時代と異なり、収入が限られる中で支出をコントロールする必要があります。総務省『家計調査(2025年)』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の可処分所得は月22万1,544円、消費支出は月26万4,148円で、平均的に赤字となっています。大きな支出は、その後の生活に長く影響する可能性があります。

「一度くらいは」世界一周クルーズに込めた思い

正一さん(仮名・68歳)と妻の明子さん(仮名・66歳)は、定年退職から数年後、世界一周クルーズに参加しました。費用は夫婦で約2,800万円。これまでコツコツと貯めてきた預貯金の大半を充てたといいます。

 

「こんな機会はもうないと思ったんです。体力もあるうちに、やりたいことをやっておきたいと」

 

夫婦はこれまで大きな贅沢をしてきたわけではありません。外食も控えめで、旅行も国内が中心でした。だからこそ、このクルーズは「人生で一度の特別な経験」と位置づけていたといいます。

 

船内では各国の文化に触れ、寄港地で観光を楽しみ、同年代の参加者と交流を深めました。

 

「本当に楽しかったです。あの時間は、間違いなくかけがえのないものでした」

 

帰国直後も、後悔はまったくなかったといいます。むしろ「行ってよかった」という思いが強く、写真を見返しながら思い出を語る日々が続きました。

 

しかし、帰国から半年ほど経ったころ、夫婦はある違和感を覚えるようになります。

 

「預金の減りが思っていたより早いんです」

 

クルーズで使った費用に加え、帰国後も細かな支出が重なっていました。まず、長年住んできた自宅の修繕費です。給湯器の交換や外壁の補修など、これまで先送りにしてきたメンテナンスが一気に必要になりました。

 

「クルーズに行く前は、“帰ってきてから考えればいい”と思っていたんですが、実際にはすぐにお金が出ていきました」

 

さらに、医療費も想定外でした。正一さんは軽い持病があり、帰国後に検査や通院の回数が増えたといいます。

 

「大きな病気ではないんですが、年齢的にどうしても医療費はかかります」

 

加えて、日常の生活費も見直しを迫られました。クルーズ中は支出の感覚が一時的に緩んでいたこともあり、帰国後もしばらくその感覚が抜けなかったといいます。

 

「“これくらいなら大丈夫”という感覚で使っていたら、気づいたときには思った以上に減っていました」

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(2023年)』によると、60歳代の二人以上世帯の金融資産中央値は700万円です。正一さん夫婦のようにまとまった資産を持つケースはあるものの、その水準でも支出のコントロールを誤ると不安定になる可能性があります。

 

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