ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
世界の税金はどうなっているのか 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
矢内一好(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
消費減税は実現するのか?…「税制改革」をめぐる「3つ」論調
国民会議は、6月に予定されている税制改革に関する中間とりまとめに向けて、会議の内外からさまざまな意見が出されています。検討の前提となっているのは、高市早苗首相が所信表明で示した「2年間の食料消費税ゼロをつなぎとして、給付付き税額控除を導入する」という方針です。
主たる論調は以下の3点に集約されます。
(1)消費税減税には反対である。
(2)食料消費税ゼロを実施するためのレジ改修等については、労働力不足や技術的課題があり、短期間での対応が難しい。ただし、ゼロではなく1%であれば、時間短縮可能。
(3)2年間の減税は行わず、当初から簡易型の給付付き税額控除を導入するべきである。
日本の財政状況を踏まえ(1)を支持する意見もあるものの、高市首相としては、公に表明した方針を撤回することになれば内閣支持率が低下し、2027年の統一地方選挙等への影響が懸念されます。
(2)は、高市首相の意向を尊重しつつ減税を実施できることから、減税額が約600億円程度縮小できます。ただし、食料消費税の減税には、2年後に税率を8%へ戻す際、国民から減税継続や増税反対の声が強まるという弱点があります。
(3)は、食料消費税の減税を行わないため、高市首相に対する批判が高まる可能性はありますが、その代わりとして、「給付付き税額控除」により低所得者層や子育て世帯への支援が行われるため、批判は一定程度弱まると見込まれます。
問題は、(2)の場合に必要となる2年で約10兆円規模の財源の捻出方法と、(3)実施の場合の財政規模です。この点については、政治的な影響が大きいことから、表立って議論されにくい「2つのタブー」が存在します。
税制議論で決して語られない「2つのタブー」
1つは、消費税率の引き上げです。食料消費税の減税分を税率引き上げで相殺すれば、国庫に入る歳入額に増減はありません。
もう1つは、法人税における「赤字法人率」の改善です。2022年の赤字法人率は約65%であり、普通法人100社のうち65社が法人税を納付していません。赤字法人の多くは中小企業であることなどから、この2つの論点は、選挙を控える状況では票を減らす要因となり得るため、表に出にくい状況にあります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
【注目のセミナー情報】
【国内不動産】4月25日(土)オンライン開催
【短期償却】4月28日(火)オンライン開催
《所得税対策×レバレッジ対策》
インフラ投資で節税利益を2倍にする方法
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
