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日本の原油輸入と中東依存の現状
2023年度における日本の原油輸入先は、以下の通りです。
①アラブ首長国連邦(UAE)40.9%
②サウジアラビア 30.9%
③クウェート 8.2%
④カタール 4.5%
⑤米国 2.5%
⑥エクアドル 1.5%
⑦オマーン 1.1%
このうち中東産油国の割合は94.7%に達しています。さらに、2025年においても中東依存度は93.9%と高水準を維持しており、日本の原油輸入の大部分がホルムズ海峡を通過しています。
そのような中、米国のトランプ大統領がホルムズ海峡封鎖に言及するなど、情勢は極めて不安定であり、今後の見通しは不透明です。
中東産油国との租税条約の特徴
日本は主要な中東産油国と租税条約を締結しています。署名時期は以下の通りです。
・クウェート(2010年2月)
・サウジアラビア(2010年11月)
・UAE(2013年5月)
・オマーン(2014年1月)
・カタール(2015年2月)
一般的に租税条約には二つの類型があります。
一つは、経済力が同等の国同士で締結される「先進国型」であり、相互投資を促進するために課税の軽減が図られます。
もう一つは、経済力に差がある国との間で締結されるもので、主に先進国から途上国への投資を前提とし、投資環境の安定化を目的とします。
オイルマネーと日本への投資誘導
日本と中東産油国との租税条約は、これらの従来型とは異なる特徴を有しています。
日本は原油の対価として巨額のオイルマネーを産油国に支払っています。産油国はこの資金を、自国の産業振興や海外投資に活用しています。日本が租税条約を締結した背景には、このオイルマネーを日本へ還流させる狙いがあります。
すなわち、日本に投資する場合の税負担を軽減することで、産油国からの対日投資を促進しようとするものです。
例えば、サウジアラビアの国営石油会社は日本の石油会社の大株主となっており、日本企業からの配当に対する課税は、租税条約により軽減されています。
ホルムズ海峡リスクと相互依存関係
ホルムズ海峡の封鎖は、日本にとって原油供給の途絶という重大なリスクとなります。一方で、産油国にとっても、原油輸出が滞ることはオイルマネーの流入停止を意味します。
このように、日本と中東産油国は、エネルギー供給と資金循環の両面において相互依存関係にあります。したがって、ホルムズ海峡をめぐる問題は、双方にとって極めて重要な経済課題であるといえます。
矢内一好
国際課税研究所
首席研究員
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