まさかの事態…お金を得ても埋められない「失ったもの」
ある朝、左手に違和感を覚えた中村さんは、ろれつが回らなくなっていることに気づきます。すぐに病院へ向かうべき状況でしたが、判断が遅れました。
ようやく病院へ行くと、脳梗塞と診断。幸い命に別状はなかったものの、後遺症が残り、以前のような不自由ない生活は難しくなりました。
「親は既に亡くなり、きょうだいは遠方暮らし。気楽に連絡を取れる友人はいなくなり、入院中に見舞いに来る人は1人もいませんでした。日頃は気になりませんでしたが、病院での孤独感はかなりきつかった。涙が滲む夜もありましたよ」
もちろん、増額された年金があることで、その後の生活の不安は軽減されました。結果として経済的には“正解”だったともいえます。
しかし、もし65歳に戻れるのであれば、「年金は普通にもらう」と断言します。
「取り返しがつきませんが……お金に代えられない大事な時間や人間関係を、削ってしまった。もう一度選べるなら、年金は65歳からもらってアルバイトは控えめに。節約しながら旅行に行って、友達とも会って。70代以降はその思い出を胸に、慎ましく生きますね」
