需要を生み出す新たな世界通貨
ステーブルコインという新たな通貨発行は、米国にとって新しい需要創造手段になると思われる。第一に通貨発行企業は担保として、主に米国国債の保有が義務づけられるので米国国債需要が高まる。そして、ステーブルコインの発行を海外企業に認めれば、米ドルの信用創造、米ドルの需要を一層、強めることにつながる可能性がある。これが米ドル覇権の強化につながる可能性は大きい。
ステーブルコインを広く普及させるために、米国は確定拠出年金制度「401(k)」における暗号資産への投資を許可する大統領令に署名し、個人投資家が退職金口座で暗号資産にアクセスできる道を開いた。トランプ政権の暗号資産へのアプローチは、規制によって業界を抑え込むのではなく、イノベーションを阻害しない形でのルールづくりを進め、米国がデジタル資産分野での主導権を握ることを目指している。
ところでいま全知全能の神が、AI時代の経済と金融を采配するとしたら、何を行うだろうか。増大する供給力、貯蓄余剰、増加する失業に直面して、最適の需要創造を、信用創造を通して行うだろう。必要な需要創造を、最適な金利水準とリスクアペタイトによる信用創造を采配することによって行うはずである。必要な需要水準は、失業率とインフレによってモニターされる。これらのオペレーションを限られた知的エリートに委ねるのか、AIで強化された市場に委ねるのか。トランプ政権は明らかに後者を選択したのである。ドルが世界通貨として新たな飛躍を遂げるかもしれない。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
【注目のセミナー情報】
【国内不動産】4月25日(土)オンライン開催
【短期償却】4月28日(火)オンライン開催
《所得税対策×レバレッジ対策》
インフラ投資で節税利益を2倍にする方法
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
