(※画像はイメージです/PIXTA)

中東情勢の悪化や景気の先行き不安などで、長年強さを見せていた米国景気は“後期”に入ったという見方も少なくありません。しかし、こうした見方とは裏腹に、足元では実物資産を中心に景気の底堅さを示す動きが広がっています。実際の経済データをもとに、米経済の実態と展望についてみていきましょう。なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの3名のストラテジストによる共同執筆です。

AIに仕事を奪われにくい「実物資産」に注目集まる

こうした堅調なマクロ環境に加え、素材や資本財といった「実物資産」セクターにおける長年の過少投資を踏まえると、仮想的なオンラインの世界よりも、物理的なオフライン市場から多くの利益を上げている企業の利益を市場が再評価し始めたことは驚くにあたりません。

 

特に、人工知能(AI)が既存のビジネスモデルの技術的なディスラプション(破壊的変化)を引き起こしているなかではなおさらです。その結果、株式市場では、豊富な実物資産を持ち、AIによるディスラプションに対する脆弱性が低いと見なされるビジネスモデルを持つ企業へ投資する、いわゆる「HALO (heavy assets, low obsolescence:重資産・低陳腐化)」トレードへの関心が高まっています。

 

さらに、S&P500企業の設備投資は2024年の9,558億ドルから2027年には1兆5,400億ドル超へ増加すると予想されています(図表2)。

 

AI関連の設備投資によって、データセンター建設から発電・送電機器、先進的冷却システムといったAIインフラ構築を支える実物資産への需要が押し上がり、景気サイクルの加速とともに、資本財や素材といった資産集約型の景気循環セクターへの投資魅力が高まる可能性があります。

 

[図表2]上昇を続けるS&P500企業の設備投資額★2

 

企業収益のトレンドは、こうした動向を裏付けています。資本財セクターの利益は2025年に10.8%増加したあと、2026年はさらに11.6%の増加が予想されています。一方、素材セクターは25.3%と、情報技術セクターに次ぐ伸びが見込まれています※5

 

重要なことは、この力強い成長が各セクター内の幅広い業種に及んでいる点です。素材セクターでは、金属価格の高騰を背景に金属・鉱業が引き続き利益成長をけん引する一方、同セクターの他の業種も2026年の二桁成長が予測されています※6

 

資本財セクターでは、今年は半数以上の業種で二桁成長が見込まれており、2025年の約4分の1から大きく増加しています。これは、経済活動の加速により基礎的な需要が強まり、AIデータセンター構築や防衛支出といった非景気循環的かつ価格感応度の低い需要が追い風となるためです※7

 

 

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本稿に示されている内容は2026年3月10日時点のステート・ストリート・インベストメント・マネジメントETFリサーチチームの⾒解であり、市場及び他の条件によって変更される場合があります。本稿には将来予測に関する記述と⾒なされる情報が含まれており、そうした内容は将来の運用成果を保証するものではなく、実際の結果や展開は予測とは大きく異なる可能性があります。提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。

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セクター投資は、フォーカスが絞られているため、多くのセクターや企業に分散して投資するよりもボラティリティが高くなる傾向があります。特定のセクター(業種)への集中投資は、市場全体よりも変動が大きくなる傾向があり、そのようなセクターまたは業界に悪影響を与える事象がリターンを低下させるリスクを高め、ファンドの価値を低下させる可能性があります。

金融サービスセクターへの集中は、政府による規制、信用市場の悪化、借り手の財政難に起因する損失、および投資活動に起因する損失の影響を受けます。

“Standard&Poor’s®”、”S&P®”、”SPDR®”は、Standard&Poor’s Financial Services LLC(以下「S&P」)の登録商標です。”DowJones”は、Dow Jones Trademark Holdings LLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらの登録商標は、S&P Dow Jones Indices LLC(以下「SPDJI」)が使用許諾を得ており、ステート・ストリート・コーポレーションは特定の目的の使用について再許諾を受けています。SPDJI、ダウ・ジョーンズ、S&P、それぞれの関連会社及び第三者の使用許諾者は、ステート・ストリート・コーポレーションが提供する⾦融商品のスポンサーではなく、これらの商品の推奨・販売・宣伝もしていません。また、SPDJI、ダウ・ジョーンズ、S&P、それぞれの関連会社及び第三者の使用許諾者は、これらの商品への投資の適否に関していかなる意⾒表明もしておらず、関連する指数に係るいかなる過誤、遺漏ないし中断等に対しても責任を一切負いません。

本稿は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原⽂が優先されることをご了承下さい。

8835824.1.1.APAC.RTL3/31/2027

〈注記〉
※1 アトランタ連邦準備銀行、データは2026年3月2日時点
※2 ブルームバーグ・ファイナンス, L.P.、データは2026年3月4日時点
※3 ブルームバーグ・ファイナンス, L.P.、データは2026年3月4日時点
※4 「連邦官報:規制資本規則:米国のグローバル・システム上重要な銀行持ち株会社(G-SIB)およびその預金取扱期間に対する強化された補足的レバレッジ比率基準の改正:米国のG-SIBに対する総損失吸収能力および長期債務要件」2025年12月1日公布
※5 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※6 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※7 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※8 ステート・ストリート・マーケッツ、データは2026年3月3日

〈図表出所〉
★1 出所:ブルームバーグ・ファイナンス L.P.、1990年1月31日~2026年2月27日。景気後退(リセッション)期間は全米経済研究所(NBER)の米景気後退指標に基づいて示しています。

★2 出所:ファクトセット、データは2026年3月5日時点。

★3 出所:ファクトセット、データは2026年2月27日時点。S&P 500の時価総額加重セクターに基づいています。

〈用語集〉
S&P 500® セクター指数は、米国の上場企業のうち時価総額上位500社の株価パフォーマンスを測定する時価総額加重型の株価指数です。

S&P 500® 資本財セクター指数は、S&P 500に含まれる企業のうち、世界産業分類基準(GICS)®の資本財・サービスセクターに分類される企業で構成される時価総額加重平均型の指数です。

S&P 500® 素材セクター指数は、S&P 500に含まれる企業のうち、世界産業分類基準(GICS)®の素材セクターに分類される企業で構成される時価総額加重平均型の指数です。

S&P 500®情報技術セクター指数は、S&P500構成銘柄のうち、世界産業分類基準(GICS)®情報技術セクターに分類される企業で構成される時価総額加重指数です。

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