(※画像はイメージです/PIXTA)

中東情勢の悪化や景気の先行き不安などで、長年強さを見せていた米国景気は“後期”に入ったという見方も少なくありません。しかし、こうした見方とは裏腹に、足元では実物資産を中心に景気の底堅さを示す動きが広がっています。実際の経済データをもとに、米経済の実態と展望についてみていきましょう。なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの3名のストラテジストによる共同執筆です。

米景気は後期ではなく「初期~中期」の局面

経済データから判断すると、米経済は堅調な足取りを維持しており、むしろ勢いを増しています。当社のマクロチームは、2025年の米実質GDP成長率は2.2%となり、2026年はトレンドを上回る2.5%まで加速すると予測しています。また、アトランタ連銀のGDPNowは2026年第1四半期の成長率を3%と予測しています※1

 

米製造業が回復基調…ISM製造業PMIは2ヵ月連続50超え

これらのデータを総合すると、米製造業が回復基調にあることが示唆されます。鉱工業生産の伸び率は2025年7月に1.0%(前年同月比)を超えて加速したあとも上昇傾向が続き、2026年1月は2.3%増(前年同月比)となりました※2

 

ISM米製造業購買担当者景気指数(PMI)は足元で52.4と、2ヵ月連続で50超の拡大圏を維持し、2022年以来の高水準に達しています。これは、2022~2025年の米国史上最も長い収縮期を経ての回復です(図表1)。前回のサイクルでは、同指数は2021年3月に63.8でピークを付けました※3

 

歴史を教訓にするならば、経済データは米経済が景気循環の後期ではなく、正確には初期~中期の局面にあることを示唆しています。この局面では経済活動と企業収益が加速し、景気に敏感な株式セクターへの追い風となる可能性があります。

 

[図表1]ISM米製造業PMI(景況指数)は改善傾向★1

 

「OBBBA」、利下げ…金融政策が景気を後押し

支援的な政策環境が良好な経済見通しを支えています。「一つの大きく美しい法案(OBBBA)」はボーナス減価償却制度を通じて企業投資を後押しし、財政政策は景気にプラスに作用しています。金融政策も、米連邦準備制度理事会(FRB)の指導部の交代が控えるなかでも、緩和基調が続く可能性が高いとみられます。

 

当社のマクロチームは今年3回の利下げを予想しており、次期FRB議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏は、2006~11年に連邦公開市場委員会(FOMC)理事を務めた当時よりもハト派的な見解を表明しています。

 

最後に、大手銀行のレバレッジ規制の見直しが今年実施される予定です。この見直しにより、銀行はバランスシート上の保有資産を増加させ、企業向け貸出を増やすことが可能となり、新たな経済活動を刺激することが期待されます※4

 

 

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本稿に示されている内容は2026年3月10日時点のステート・ストリート・インベストメント・マネジメントETFリサーチチームの⾒解であり、市場及び他の条件によって変更される場合があります。本稿には将来予測に関する記述と⾒なされる情報が含まれており、そうした内容は将来の運用成果を保証するものではなく、実際の結果や展開は予測とは大きく異なる可能性があります。提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。

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セクター投資は、フォーカスが絞られているため、多くのセクターや企業に分散して投資するよりもボラティリティが高くなる傾向があります。特定のセクター(業種)への集中投資は、市場全体よりも変動が大きくなる傾向があり、そのようなセクターまたは業界に悪影響を与える事象がリターンを低下させるリスクを高め、ファンドの価値を低下させる可能性があります。

金融サービスセクターへの集中は、政府による規制、信用市場の悪化、借り手の財政難に起因する損失、および投資活動に起因する損失の影響を受けます。

“Standard&Poor’s®”、”S&P®”、”SPDR®”は、Standard&Poor’s Financial Services LLC(以下「S&P」)の登録商標です。”DowJones”は、Dow Jones Trademark Holdings LLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらの登録商標は、S&P Dow Jones Indices LLC(以下「SPDJI」)が使用許諾を得ており、ステート・ストリート・コーポレーションは特定の目的の使用について再許諾を受けています。SPDJI、ダウ・ジョーンズ、S&P、それぞれの関連会社及び第三者の使用許諾者は、ステート・ストリート・コーポレーションが提供する⾦融商品のスポンサーではなく、これらの商品の推奨・販売・宣伝もしていません。また、SPDJI、ダウ・ジョーンズ、S&P、それぞれの関連会社及び第三者の使用許諾者は、これらの商品への投資の適否に関していかなる意⾒表明もしておらず、関連する指数に係るいかなる過誤、遺漏ないし中断等に対しても責任を一切負いません。

本稿は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原⽂が優先されることをご了承下さい。

8835824.1.1.APAC.RTL3/31/2027

〈注記〉
※1 アトランタ連邦準備銀行、データは2026年3月2日時点
※2 ブルームバーグ・ファイナンス, L.P.、データは2026年3月4日時点
※3 ブルームバーグ・ファイナンス, L.P.、データは2026年3月4日時点
※4 「連邦官報:規制資本規則:米国のグローバル・システム上重要な銀行持ち株会社(G-SIB)およびその預金取扱期間に対する強化された補足的レバレッジ比率基準の改正:米国のG-SIBに対する総損失吸収能力および長期債務要件」2025年12月1日公布
※5 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※6 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※7 ファクトセット、データは2026年3月5日時点
※8 ステート・ストリート・マーケッツ、データは2026年3月3日

〈図表出所〉
★1 出所:ブルームバーグ・ファイナンス L.P.、1990年1月31日~2026年2月27日。景気後退(リセッション)期間は全米経済研究所(NBER)の米景気後退指標に基づいて示しています。

★2 出所:ファクトセット、データは2026年3月5日時点。

★3 出所:ファクトセット、データは2026年2月27日時点。S&P 500の時価総額加重セクターに基づいています。

〈用語集〉
S&P 500® セクター指数は、米国の上場企業のうち時価総額上位500社の株価パフォーマンスを測定する時価総額加重型の株価指数です。

S&P 500® 資本財セクター指数は、S&P 500に含まれる企業のうち、世界産業分類基準(GICS)®の資本財・サービスセクターに分類される企業で構成される時価総額加重平均型の指数です。

S&P 500® 素材セクター指数は、S&P 500に含まれる企業のうち、世界産業分類基準(GICS)®の素材セクターに分類される企業で構成される時価総額加重平均型の指数です。

S&P 500®情報技術セクター指数は、S&P500構成銘柄のうち、世界産業分類基準(GICS)®情報技術セクターに分類される企業で構成される時価総額加重指数です。

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