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給付付き税額控除、「簡易型」で“先行導入”か
社会保障制度の抜本的見直しを進めるため、「給付付き税額控除」の導入を検討している超党派の「社会保障国民会議」。
2026年4月1日の報道によれば、家族の所得合算や本人の資産所得の把握を目的に「マイナンバーカード」の利用を前提とした制度設計にした場合、導入までに時間がかかりすぎるとの指摘が出ています。そのため、これらの要素を省いた「簡易型」の導入を求める意見が浮上しているといいます。
過去を振り返ると、昭和の終わりから平成の初めにかけて消費税が導入された際にも、本格的なインボイス方式は見送られ、まずは「帳簿方式」が採用されました。その後、制度の整備が進み、最終的にインボイス方式が導入されるに至っています。
今回の給付付き税額控除についても、同様に簡易型を先行導入し、後に制度を見直していくのかは現時点では明らかではありません。ただし、景気動向を踏まえ、政策効果を早期に発現させる観点から、時間を要する本格的な制度設計は当面見送る意向が強いとみられます。
海外に目を向けると、給付付き税額控除を世界で初めて導入したアメリカでは、1975年の導入以降、約50年にわたり制度改正が繰り返され、現在の形に至っています。後発となる日本は、こうした諸外国の知見を活用できる立場にあり、いわば「いいとこどり」によって、日本型の給付付き税額控除を構築することが可能です。
減税か給付控除か…揺れる政策判断
今後の焦点としては、首相が所信表明で述べたように、「食料消費税の2年間ゼロ」をつなぎ措置としたうえで給付付き税額控除へ移行するのか、それとも消費税減税を見送って給付付き税額控除を導入するのかという政策選択が挙げられます。あわせて、給付付き税額控除の減税規模や財源のあり方も重要な論点となるでしょう。
このように考えると、今後の議論においては、給付付き税額控除の制度設計そのものよりも、むしろ周辺の政策判断や財政面の検討が中心的な争点になっていく可能性が高いといえます。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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