高年収でも落ちる「審査の現実」
住宅ローン審査は、年収だけで決まるものではありません。金融機関はさまざまな点から審査を行いますが、特に重視されるのが次の3点です。
・返済を続けられる安定性
・現在の借入状況
・過去の支払い履歴
どれかに問題があれば、高年収でも落ちることは珍しくありません。Aさんも「自分は問題ない」と思っていましたが、実際にはいくつかの要因が重なっていたと考えられます。
まず、家具購入時の分割払いやクレジットカードのリボ残高。これらはすべて「借入」として扱われ、返済負担率を押し上げます。
さらに、複数のクレジットカードに付帯していたキャッシング枠。利用していなくても、「いつでも借りられる状態」はリスクとみなされます。
加えて、年収の一部がボーナスなどの変動収入だった点も影響した可能性がありました。金融機関によっては、こうした部分を低めに評価するためです。
状況を整理する中で、Aさんはあることを思い出しました。数年前、仕事が忙しい時期にクレジットカードの支払いを一度だけ遅延していたのです。
すぐに支払いは済ませたものの、その履歴は信用情報として一定期間残ります。半信半疑のまま、AさんはCICに開示請求を行いました。そこには、確かに延滞の記録が残っていました。
Aさんの場合、分割払いの残債やキャッシング枠、収入の内訳、そして過去の延滞履歴といった複数の要素が重なった結果と考えることができますが、住宅ローンの審査はあくまで「総合的な判断」であり、原因をはっきりと断定することはできません。
同じ轍を踏まないためには、「審査引っかかった原因はどこか」という点を一つずつクリアするしかないのです。
「通る状態」に整えるという発想
「まさかの審査落ちにプライドが大きく傷つきました」と苦笑いするAさんですが、手に入れられなかったことで、むしろいっそう家を持ちたくなったといいます。
Aさんは再審査に向けて対策を進めました。分割払いやリボ残高を完済し、不要なクレジットカードを解約。キャッシング枠も整理しました。さらに頭金を積み増し、金融機関の選定も見直しました。
第一希望だった物件は、結局ほかの購入希望者に取られてしまいました。 「あのとき通っていれば……」 その思いは消えません。
住宅ローン審査は、単なる手続きではありません。収入だけでなく、これまでのお金との向き合い方すべてが問われます。そして何より「自分は大丈夫」という思い込みこそが、最大の落とし穴なのかもしれません。
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