(※画像はイメージです/PIXTA)

人員整理などの理由から、社内で募集がかかることもある「早期退職」。失業保険のほか、会社によっては「早期退職優遇制度」によって定年時と同じ金額の退職金が出ることもあるものの、退職後の資金計画をしっかり立てないまま早期退職するのは危険です。会社から「早期退職」を勧められたとき、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。本記事では、社会保険労務士としても活躍するFPの岡佳伸氏が、会社から早期退職を勧められたTさん(50歳・男性)の事例とともに、早期退職で「必ず確認すべきポイント」を解説します。

退職後、まさかの事実が判明

ところが、退職後に離職票を持ってハローワークへ行き、説明を受けたTさんは愕然とします。

 

「雇用保険上、会社都合の退職にはなりませんよ」

 

なんとTさんが利用したのは、会社が以前から継続的に設けている「早期退職優遇制度」だったのです。

 

「一体どうして……。話が違うじゃないか……」

 

ここが実務上の大きな落とし穴です。雇用保険で特定受給資格者にあたるのは、倒産や解雇等で再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた場合などです。

 

その一類型として、「事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けて離職した者」がありますが、ハローワークの基準では、恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」などに応募して離職した場合は、これに該当しないとされています。

 

さらに、企業整備による希望退職者の募集に応じた離職であっても、退職勧奨にあたらない場合は、特定受給資格者ではなく、「特定理由離職者」などの別の整理になることがあります。

将来を左右する「退職勧奨」と「希望退職募集」の見極め

雇用保険業務取扱要領では、退職勧奨にあたる場合のひとつとして、希望退職募集への応募による離職を挙げています。

 

ただし、それは『人員整理を目的とし』『離職前1年以内に導入され』『募集期間が3ヵ月以内』である場合です。恒常的な早期退職優遇制度は、これとは扱いが異なります。

 

つまり、「会社から辞めたほうがいいといわれた気がする」「優遇退職制度を使った」という事情だけでは足りません。

 

雇用保険上は、明確な退職勧奨にあたるのか、あるいは人員整理を目的とし、導入時期や募集期間など一定の要件を満たす希望退職募集なのかが、重要な分かれ目になります。

 

Tさんのケースでは、恒常制度への応募とみられ、想定していた「会社都合」にはなりませんでした。

次ページ「早期退職」を安易に決断してはいけないワケ

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧