(※写真はイメージです/PIXTA)

かつての日本では、銀行に預金するだけで資産が「5〜6%」と自然に増える時代がありました。2024年以降、ようやく「金利のある世界」が戻りつつありますが、加速する物価高の前では、わずかな利息上昇も雀の涙にすぎません。手取り20万円でやりくりし、貯蓄を増やすことさえ困難な世代にとって、資産形成はスタート地点に立つことすら高いハードルとなっています。統計と実例から、現代における「貯蓄」の厳しい現実を浮き彫りにします。

生活が苦しいと感じる人は約6割

厚生労働省『2024年 国民生活基礎調査』によると、日本の生活意識は厳しい状況にあります。

 

「生活が大変苦しい」「やや苦しい」と回答した人の割合は58.9%に達しました。半数以上の人が生活に余裕を感じていないという結果です。

 

「新NISA」や「iDeCo」といった言葉が浸透し、資産形成の必要性はかつてないほど強調されています。しかし実際には、日々の生活を維持することで精一杯で、投資のスタート地点に立つための「余剰資金」を作ること自体が困難な層が増えています。

 

同調査によると、日本の所得分布では年収「300万円未満」の世帯が全体の約3割を占めています。物価高騰が続くなか、日々の食費や家賃をまかなうだけで手元にお金が残らないという現実があります。

 

働いてお金を貯める――。それは長く日本人の生活設計の基本でした。

 

しかし、金利がわずかに上がった程度では、加速する物価高の前では無力に近いのが現状です。働いても預金の実質価値が増えない社会のなかで、資産形成は一部の余裕ある層だけの特権になりつつあるのかもしれません。

 

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