(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人は「勤勉でよく働く国民」と言われてきました。しかし長時間労働や過労による健康被害が社会問題として注目され始めたのは1980年代後半のことです。現在でも多くの人が長時間労働に従事していますが、必ずしもそれが高い収入につながっているわけではありません。平均給与と実感の差、そして将来の年金不安――。働く日本人の現実を統計と実例から見ていきます。

「給与25万円」団塊ジュニアの現実

介護職として働く吉村さん(仮名・50歳)は、いわゆる「団塊ジュニア世代」です。バブル崩壊後の就職氷河期を経験し、不安定な雇用環境のなかで働いてきました。

 

現在の給与は月25万円ほどだといいます。

 

「母と2人暮らしです。体力仕事なので、この先も続けられるか不安ですね。肝臓や腰の持病もあるので、もし働けなくなったらどうなるのか…」

 

親の資産に頼ることにも抵抗があるといいます。

 

将来の生活を支える年金はどの程度なのでしょうか。厚生労働省『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の平均月額は14万7,360円です。

 

受給額の分布を見ると、最も多いのは月10〜11万円台で約112万人。次いで9〜10万円台、11〜12万円台と続きます。

 

総務省『家計調査(2025年5月)』によると、2人以上世帯の平均消費支出は月31万6,085円です。年金だけで生活することの難しさが浮かび上がります。

 

吉村さんは将来の年金について、こう語ります。

 

「実は、年金を納めていなかった時期が結構あるんです。大学卒業後に就職できない期間が長くて、フリーターや無職の時期もありました」

 

面接は何十回も受けたものの採用には至らなかったといいます。

 

「だから自分の年金はあまり期待していません」

 

総務省『労働力調査』によると、1970年代前半生まれの世代は、それ以前の世代に比べて就職初期の失業率が高く、非正規雇用の割合も高かったことが明らかになっています。

 

さらに1970年代後半生まれの世代でも、失業率は改善したものの非正規雇用から抜け出せない人が一定数存在すると指摘されています。

 

長時間働いても収入が大きく増えない構造のなかで、老後生活の支えとなる年金にも不安が残ります。

 

働く日本人に求められているのは「自助努力」と言われますが、個人の努力だけで将来不安を解消することは簡単ではありません。長く働き続ける社会のなかで、その行く末に不安を感じている人は少なくないのが現実です。

 

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