親心につけ込むわけではなく、無自覚に実家を「無料の補給基地」と見なす子どもたちは少なくありません。しかし、年金生活に入っても現役時代と同じ顔をして援助を続ければ、待っているのは親子共倒れの未来かもしれません。今回取り上げるのは、娘一家への援助に疲弊していた68歳女性の事例。彼女が老後破綻を防ぐために引いた一線とは? 見ていきましょう。

親としての見栄も…はっきり伝えた結果

良子さんが娘にハッキリ「NO」と言えなかった理由。それは、可愛い娘にできる限りのことをやってあげたいという親心でした。同時に「家計に余裕ないと思われたくない」という、親としての見栄があったのも事実でした。

 

しかし、良子さんは腹をくくります。ある日、娘からの来訪予告のLINEにこう返しました。

 

『待ってるよ! でも、お米や日用品はもう渡せない。私たちも年金生活が厳しくなってきたの。わかってね』

 

送信ボタンを押すまで迷い、返信が来るまでの間も少し緊張したといいます。しかし、返ってきた言葉は優しいものでした。

 

『ごめんね! もらえたら助かるから、つい。年金暮らしといっても、お母さんとお父さんは余裕あるんだなって思ってた……』

 

娘に悪気はなかったのです。ただ、親が「まだ大丈夫」という顔をし続けていたから、甘えていただけ。親が「ここまではできるけど、ここからは無理」とラインを引かない限り、子どもはその境界線が見えないのです。

愛を「お金」で証明する必要はない

もし娘や息子からのおねだりに心が重くなったら、一度立ち止まって考えてみましょう。
子どもや孫が本当に求めているのは、高いゲーム機や豪華なテーマパーク、食材でしょうか。ほとんどの場合、穏やかに笑い、自分たちを温かく迎えてくれる「元気な祖父母」との時間のはずです。

 

実家を「無料の補給基地」にさせておくのは、娘の自立を妨げ、自分たちの老後を壊すことにつながります。それは「愛情」ではなく、未来の破綻を先送りしているだけかもしれません。

 

お金を使う最優先は、自分たちの自立した生活。その割り切りこそが、巡り巡って家族みんなの幸せを守ることになるはずです。

 

 

 

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