学生同士でフォローし、高め合う仕組みをつくる
長期インターン生を活用して事業改革をするためには、インターン生一人ひとりの能力を効率的に高めることが必要です。そのために重要なのは、受け入れ企業の側で学生同士でフォローし、高め合う仕組みをつくることです。
私の会社に長期インターンシップでやってきたNさんは、期間の終了が近づいたとき、ひとつの資料を作成してくれました。それが、ここで紹介する学生用の長期インターンシップマニュアルの原型です。
そこには私の会社にやってきたインターン生がスムーズに業務にあたることができるよう、私がNさんに指示したことや、Nさん自身が気づいたことなどが簡潔にA4用紙1枚にまとめられていました。
このA4の引継ぎ書はインターンシップ2期生、3期生へと受け継がれ、加筆され、今では100ページを超えるマニュアルとなっています。このマニュアルは私の会社にとって大きな財産です。
具体的には、電話の取り方やビジネスメールの書き方、ブログの更新方法や各書類の書き方などの日常業務の基本に加えて、業務に対する心構えやモチベーションの保ち方など、メンタル面に及んでアドバイスされています。
[図表]代々引き継がれブラッシュアップされたマニュアル
学生にのびのびと活動してもらえる環境づくりが重要
プロジェクトの進行や実務は基本的に学生たちの自主性に任せます。そこに私が介入することはありませんが、それは単に放置するという意味ではありません。
私は常に学生の表情や態度を気にかけ、「相談事があればいつでも話を聞く」というスタンスで彼らと向き合っています。長期インターン生を受け入れる企業の経営者の役割は、学生にのびのびと活動してもらえる環境づくりに徹することだと考えているからです。
逆にいえば、こうした環境をあらかじめ整備することができていれば、ほとんど手をかけることなく学生たちは短い期間でスーパー大学生に成長してくれるというわけです。