前回は、決算書の数字の「操作」で使われる典型的な手法を説明しました。今回は、銀行に決算書の数字のウソがバレてしまう理由を見ていきます。

「不自然な数字」には極めて敏感な銀行員

どうして見る人が見ると数字のウソがバレてしまうかというと、「前期と比べて、一部の数字だけが大きく変動している」とか「長年の付き合いの中で、これまでに見たことのない数字の動きをしている」といった〝不自然さ〟に気づくからです。

 

たとえば、棚卸の額が今期だけやけに増えていたら、銀行は「ん?」と引っかかります。そして、「今期はやけに棚卸が多いですが、どうしてこういうことになったのですか」と社長に質問します。

 

このとき、社長はその原因や理由を明確に説明しなくてはなりません。しかし、決算書を操作している場合はたいてい、あたふたしたり、説明があやふやになったります。顧問税理士が作った決算書で社長がノータッチの場合は、特にそうなります。

答えを用意していてもどこかでボロは出る

答えを用意していた場合でも、銀行は別の方向から質問を重ねます。

 

ありがちなやり取りとしては、社長が「今期棚卸が増えたのは、仕入れ先の会社がセールをしたので、まとめ買いしたのです。どうせ使うものだから、安いときに買ってストックしておくことにしました」と用意していた答えをしゃべったとします。

 

すると、銀行は「そうですか」と言いながら、「では、その在庫はいつさばけますか」と、さらに突っ込んだ質問をしてきます。どんどん突っ込まれているうちに、どこかでボロは出ます。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『銀行に好かれる会社、嫌われる会社』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

鈴木 みさ

幻冬舎メディアコンサルティング

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