「論文博士制度」の廃止
そこで私は2015年1月、役員会で論文博士制度の廃止を含めた改革を決定しました。
同年6月には「論文博士制度検討ワーキング・グループ」を立ち上げて検討を重ねた結果、2016年4月から論文博士制度の大幅な改正を実施。新制度の申請条件は次の通りです。
●申請論文(筆頭著者に限る)のインパクトファクター(論文掲載年の直近5年平均)が「15」以上
●申請論文以外に、筆頭著者として、インパクトファクターが「1」以上の掲載論文を2編以上有すること
●本学の大学院入学試験に準じて行われる学力試験に合格すること
インパクトファクター(Impact Factor)とは、その学術雑誌の論文がどれだけ引用されているかを示す指標で、雑誌の学術的影響力を数値化したものです。こうして、極めて優れた業績を持つ者しか申請できない仕組みに改め、論文提出だけでは簡単に博士が取得できないようにしました。
その一方で、大学院進学の門戸は広げています。社会人が大学院に進学して博士号を取得しやすくする制度改革を実施しました。
例えば、社会人の大学院長期履修期間を6年から8年に、博士号未取得のまま大学院を満期退学した場合の博士号申請可能期間を2年から4年に延長しました。さらに、「未来への飛躍」基金を活用した大学院の奨学金制度も新設しています。
これらの改革の結果、奈良医大の医学研究科博士課程の定員充足率は、2015年度以降、100%を大きく超えるようになりました[図表]。論文博士制度の見直しは、単なる規制強化ではなく、大学院教育を充実させ、国際的に信頼される学位制度を確立するための大切な一歩になりました。
細井 裕司
奈良県立医科大学
理事長・学長
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