「生活費は毎月18万円」…守られていた日常
「まさか自分が働かなきゃいけなくなるなんて、考えたこともありませんでした」
そう語るのは、関東近郊に住む真理子さん(仮名・54歳)です。
真理子さんは23歳で結婚し、第一子出産を機に退職しました。その後は専業主婦として家庭を支え、現在は大学生の娘と高校生の息子がいます。
夫(57歳)はメーカー勤務の会社員で、手取り月収は約38万円。家計は夫が管理し、真理子さんには毎月18万円の生活費が渡される仕組みでした。
「食費や子どもの日用品、光熱費はそこから。教育費や家賃は夫が払っていました」
贅沢はしないものの、生活に困ることはありませんでした。美容院も年に数回、友人とのランチも月1回程度。貯蓄状況は詳しく知らされていませんでしたが、「夫がしっかり管理しているから大丈夫」と信じて疑わなかったといいます。
転機は、夫の57歳の誕生日の数週間後に訪れました。
「しばらく別に住もうと思う」
夕食後、そう告げられたといいます。
理由は「一人の時間がほしい」「家庭に疲れた」という曖昧なものでした。離婚の意思はないが、当面は単身で暮らすというのです。
「冗談だと思いました。でも翌週にはもう部屋を借りていて…」
夫は家を出ていきました。そして翌月、真理子さんの口座にはこれまでの生活費18万円が振り込まれませんでした。
夫に連絡すると、返ってきたのは思いがけない言葉でした。
───「今は二重生活だから余裕がない。自分の分は自分でなんとかして」
「頭が真っ白になりました。私、収入がないんだって」
結婚以来30年以上、真理子さんは就労していません。パート経験もなく、職務経歴は空白です。
