(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後の地方移住は「生活費が下がる」「自然に囲まれた穏やかな暮らし」といった魅力で語られることが少なくありません。実際、国土交通省『令和5年度 高齢社会に関する意識調査(高齢期の住み替えについて)』でも、高齢期の住み替え理由として「自然環境の良さ」や「生活費の低減」が挙げられています。しかし移住後の生活は、住居費だけでは測れない現実を伴います。医療・交通・地域関係・住宅維持費など、都市とは異なるコスト構造が現れるからです。

「ここなら老後は安心だと思った」

都市部で暮らしてきた佐々木さん夫妻(仮名)は、夫の定年退職を機に老後生活の設計を見直しました。退職金は約1,800万円、年金見込み額は夫婦合計で月約24万円。持ち家はなく、定年後も家賃を払い続ける生活になる見込みでした。

 

「家賃を払わない暮らしにしたいと思ったんです」

 

そう考えた夫妻は地方移住を決め、中古戸建を900万円で購入しました。

 

「これで住居費はほぼかからないはずだと考えていました」

 

支出は都市部より大きく下がる——そう見込んでいたといいます。

 

移住直後の暮らしは新鮮でした。澄んだ空気、夜の静けさ、庭のある生活。都市では得られなかった環境に、二人は満足していました。ところが半年ほど経つ頃から、家計への違和感が生まれ始めます。

 

「思ったより、お金の減りが早いんです」

 

最初に想定外だったのは住宅費でした。購入後まもなく屋根補修、給湯器交換、配管修理が必要となり、初年度だけで約250万円の修繕費が発生しました。

 

「中古は安い分、手直しが続くと実感しました」

 

さらに車の購入と維持費、灯油暖房費、庭や外構の管理費用、地域行事の負担金など、都市生活にはなかった支出が重なります。年金生活に入る前の段階から、退職金は想定より早いペースで減り始めていました。

 

もう一つの想定外は、地域との距離感でした。

 

「人は温かいんですが、関係が近くて気を遣う場面が多いんです」

 

都市では匿名性がありましたが、移住先では生活が可視化されます。「常に見られている感じがする」「溶け込もうとすると疲れる」と佐々木さんは言います。

 

決定的だったのは医療環境でした。夫には高血圧の持病があり、妻も整形外科への通院が続いています。都市部では徒歩圏に医療機関がありましたが、移住先では総合病院まで車で40分かかります。

 

高齢期の通院は頻度が増えやすく、移動距離の長さはそのまま生活不安につながります。

 

「老後に必要なのは、自然の豊かさより安心の近さなのかもしれないと感じ始めました」

 

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