今週の注目点=トランプ関税「違憲」は米国債・米ドル売り要因
関税収入還付に注目=「米ドル離れ」が拡大するか!?
20日、注目されてきたトランプ関税に対する最高裁判決が「違憲」という結果で発表されました。これに対して為替相場は瞬間的に米ドル下落で反応したものの、株高、米金利上昇となるなかでその後は米ドルも小反発となりました。トランプ大統領の肝いり政策である関税が違憲となったことが、今後米ドルにどのように影響するかは要注意でしょう。
今回の決定を受けてまず注目されるのは、1000~2000億米ドルとされる関税収入の還付の行方でしょう。それは税収減への懸念から基本的に米国債売り、米ドル売り要因になりそうです。
これまでも、トランプ政権の国際秩序を無視した行動を受けて、米国への信頼感低下により「米ドル離れ」が指摘されていました。たとえばCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルで試算)は、17日時点で売り越しが21万枚まで拡大しました(図表4参照)。
経験的には、米ドル「売られすぎ」懸念も強くなってきましたが、トランプ大統領の肝いり政策である関税政策が見直しを迫られたことにより、「米ドル離れ」が一段と広がるところとなる可能性も注目されるのではないでしょうか。
今週の米ドル/円は152~157円で予想
今週は24日にトランプ大統領の一般教書演説が予定されており、今回のトランプ関税「違憲」の影響が注目されそうです。また米経済指標では27日に1月PPI(生産者物価指数)の発表が予定されています。
すでに見てきたように、「財政懸念の円売り」一服が続くなかでは、先週のような日米金利差拡大を受けた米ドル高・円安にもおのずと限度がありそうです。加えて、今回のトランプ関税「違憲」が米ドル売り要因となる可能性も出てきました。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は152~157円で予想したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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