脳梗塞で麻痺が残った「年金6万円の80歳父」、お金がなくて選択した“激安”老人ホーム。あんなに恰幅がよかったのに、入居3ヵ月で骨と皮に…理由を尋ねた50歳長男「施設側の回答」に唖然【FPが解説】

脳梗塞で麻痺が残った「年金6万円の80歳父」、お金がなくて選択した“激安”老人ホーム。あんなに恰幅がよかったのに、入居3ヵ月で骨と皮に…理由を尋ねた50歳長男「施設側の回答」に唖然【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

親の介護は、ある日突然始まります。「限られた予算と時間」という追い詰められた状況下で、低価格な施設は有力な選択肢となります。しかし、費用を抑えることだけを優先した即決が、親の健康や尊厳を損なう結果を招くことも……。本記事では、社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏がAさんの事例とともに、安い老人ホームの落とし穴を解説します。※事例は、プライバシーのため一部脚色して記事化したものです。

なんとか賄えた“安い”老人ホームの費用

父の自宅を売って費用の足しにしようかと、不動産会社に見積りをお願いしましたが、現実は甘くありません。建物の老朽化ゆえ、解体して更地にしてから買い取るといわれました。解体費などの合計額は500万円。さらに、駅から離れた立地なので、1,000万円がいいところとのこと。正直、父があと何年生きるかわかりませんが、少しでも足しになるならと売却することに。差し引きすると、実家の売却で手元に残ったのはわずか500万円でした。

 

自営業だった父の年金は月約6万円。2024(令和6)年における80歳男性の平均余命は8.96年です。父は現在80歳。少しの蓄えと自宅を売った500万円、月6万円の年金――。平均余命で考えるのであれば、なんとか賄っていけそうでした。

3ヵ月後の再会…父の変わり果てた姿

Aさんは仕事が繁忙期に差し掛かったこと、さらに父が入居した老人ホームは交通の便が悪いことから、入居後の面会が遅れてしまいました。3ヵ月後、やっと訪問することができたAさんは、父の変わりように驚きが隠せませんでした。

 

もともと父は、現役時代に現場での力仕事が多かったため、恰幅もよく食欲旺盛でした。現役を引退しても、それは変わらなかったのです。利き手と利き足が麻痺したあとも、食が細くなることはなかったはずです。それがどうでしょう。Aさんの目には、まるで別人のような父の姿が映っています。わずか3ヵ月。骨が浮き出て、脂肪が落ち、痩せこけています。驚きを隠せず事情を聞くと、父は話しはじめました。

 

出される食事は常に「刻み食」でした。本来は普通食を食べられる状態でも、スタッフに声をかけると「ちょっと待ってください」と放置され、そのまま食事時間が終わってしまう。やっとの思いで普通食を希望したところ、「ほかの入居者と違う対応には月々の別料金がかかる」と突き放されたといいます。せっかく息子が探してきてくれた施設だから、別料金がかかることは避けたいと、父は、そのまま刻み食で我慢していたそうです。

 

ショックを受けたAさんが職員に父が激痩せしたことを伝えると、返ってきたのは冗談めかした信じがたい言葉でした。

 

「少しくらい痩せたほうが、お世話もしやすいですよ」

 

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