税務調査官「それ、違法です」…倒産する中小企業が続出!? 「労働基準法」40年ぶりの大改正に“怯える”社長たち【税理士が警鐘】

税務調査官「それ、違法です」…倒産する中小企業が続出!? 「労働基準法」40年ぶりの大改正に“怯える”社長たち【税理士が警鐘】
(※写真はイメージです/PIXTA)

労働基準法について、約40年ぶりに大改正が検討されていることはご存じでしょうか。従業員にとっては喜ばしい反面、この改正に“怯える”中小企業オーナーも少なくありません。なにも対策しない場合、売上は変わらなくても「赤字」に転落したり、最悪の場合「倒産」に追い込まれたりする危険性があるからです。改正のポイントと対策について、事例を交えてみていきましょう。税理士・公認会計士で税理士法人グランサーズ共同代表の黒瀧泰介氏が解説します。

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コスト増対策としての「安易な外注化」は危険!

こうした変化に対応するため、たとえば「社員を全員クビにして、同じ人に業務委託で働いてもらおう」と考えたとします。

 

倫理的な問題を抜きにして考えると、上記の対策は一見合理的に感じるかもしれません。しかし、本改正によって労働者性の定義が拡大される方向のため危険です。

 

税務調査では、事業の実態に基づいて判断されます。毎日会社に来て社長の指示を受け、会社の道具(パソコンなど)を使って仕事をしている場合、税務調査官から「それ、違法です」と、偽装請負に認定されるリスクが高まるのです。

 

なお、税務調査で「偽装請負」と認定されると下記の“トリプルパンチ”が待っています。

 

■残業代:過去数年分の未払い分を請求

■社会保険料:過去2〜5年分の遡及加入・追納

■消費税:外注費として計上していた消費税が否認され、追徴

 

例:年間外注費5,000万円の場合、消費税500万円が否認され、5年分で2,500万円。さらに延滞税・重加算税が加わり、3,500〜4,000万円規模の追徴になる可能性もあります。目先の残業代節約が、会社を倒産に追い込む結果になりかねません。

 

フリーランス保護法(2024年11月施行)も施行されており、外注化への取り締まりは国を挙げて強化されています。

改正後も“生き残る”ための正攻法

逃げ道を塞がれる以上、根本対策が必要です。ポイントは「人件費を減らす」ではなく「人件費を国に負担してもらう」仕組みを活用することでしょう。

 

1.機械・システム投資で人手不足を解消

・働き方改革推進支援助成金(業務間インターバル導入コース)……インターバル対応のための業務効率化機械(自動発注機、POSレジなど)を導入すると、費用の最大720万円まで補助されます。規制が義務化される前に活用するのが得策でしょう。

 

・中小企業経営強化税制……対象設備を導入すれば即時償却(初年度全額経費化)か税額控除(購入額の10%または7%)を選択可能。初年度に大きな節税効果が得られます。

 

2.賃上げを国に負担してもらう

賃上げ促進税制をフル活用します。給与を前年比で引き上げると、上げた分の最大45%を法人税から直接控除できます(通常30%程度、教育訓練費増やクルー認定などで45%までアップ)。

 

例:全社員で1,000万円賃上げした場合、最大450万円の法人税削減。実質的に人件費の半分近くを国が負担してくれます。赤字でも繰越可能(5年間)なので、赤字黒字問わず有効です。

 

労働基準法改正は避けられない流れです。安易な外注化やごまかしは命取りになります。

 

今のうちに機械化投資や賃上げ促進税制を活用し、国のお金で人件費負担を軽減する準備を進めておきましょう。

 

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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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