「レートチェック」円高は一段落か…衆院選後の円安再燃に警戒
先述したように、1月23日の日米「レートチェック」をきっかけに、米ドル/円は一時1ドル=152円まで米ドル安・円高が進みました。しかしその後、日米ともに為替介入(米ドル売り・円買い介入)を行っていなかったことが確認されると、米ドル高・円安方向へ戻る展開となりました。
さらに30日には、トランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長にウォーシュ元FRB理事を指名するとの報道が伝わり、過度な金融緩和への懸念が後退したとの見方から、米ドル高・円安は1ドル=155円近くまで進行しました。
こうした動きを踏まえると、日米「レートチェック」を契機とした米ドル安・円高の流れはいったん一巡した印象があります。
今回の「レートチェック」には、衆院選前に円が急落し、高市政権に不利な影響が及ぶことを避ける狙いがあった可能性も考えられます。もしそうであれば、少なくとも投票日までは1ドル=160円超の円安を阻止する姿勢が維持されるとみられます。
ただし、衆院選後も円安阻止の姿勢が続くのか、それとも政策スタンスが変化するのかは、引き続き注目すべきポイントとなるでしょう。
円安と米ドル安が綱引き…2月の米ドル/円は「151~161円」と予想
すでにみてきたように、対ユーロなどで米ドルがテクニカルに「下放れ」した動きが、本格的なトレンド転換なのか、それとも“ダマシ”なのかの見極めが重要になります。仮に米ドル安が新たな局面に入り、さらに広がるようであれば、米ドル高・円安を抑制する方向に働く可能性があります。
また、やや不安定な動きが目立ち始めた米国株が本格的に下落へ向かうようであれば、これも米ドル安を後押しする材料となるでしょう。
こうした点を踏まえると、2月は円安要因と米ドル安要因がせめぎ合う展開が続きそうです。そのうえで、2月の米ドル/円は「151~161円」と予想します。
今週の米ドル/円予想レンジは「152~156円」
今週は、2月8日の衆院選挙投票日を控えた直前週にあたります。現時点では与党優勢で、自民党が単独過半数を回復する勢いとの報道が多いようです。
これを受けて、高市政権への積極財政期待から株高となった場合、あるいは積極財政への懸念から債券安・長期金利上昇となった場合でも、いずれも円売り再開の材料となる可能性があります。
「レートチェック」をきっかけに米ドル/円が急落した局面では、2025年10月の高市政権発足以降続いていた上昇トレンドを割り込み、翌営業日には1ドル=155円台後半でいわゆる「窓開け」スタートとなりました。
このため、米ドル買い・円売りが再開した場合には、この155円台後半の「窓」を上抜けられるかどうかがテクニカル上の分岐点となるでしょう。
ただし前述のとおり、「レートチェック」は衆院選前の円暴落回避が最大の目的だった可能性があります。その意味では、今週円売りが再開したとしても、この「窓」を大きく上抜けるほどの円安にはなりにくいと考えられます。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円は「152~156円」と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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