補助金の審査は公務員ではなく、外部の有識者が行う
今回は、『ものづくり補助金』を例にして、補助金審査の流れをご紹介しましょう。
『ものづくり補助金』は、年度予算も倍増したような人気の補助金ですが、財源が税収であることからも、希望すればもらえるようなものではなく、十分な事業計画を作成した上で申請しないと採択(合格)されません。
では、その合否を決める審査は、誰がどのように行っているかご存知ですか? 今回は、補助金の審査員について解説します。
各補助金には公募要領なるものがありますので、そちらを細かくチェックしてみましょう。
とっても細かく、沢山の文字が踊っていますが、よく読んでみると、『本事業では、申請書に記載された事業計画を外部有識者からなる審査委員会が評価し、より優れた事業提案を採択します。提出書類に不備や不足がないようにご注意ください。』とあります。
そう、審査員は公務員の方々ではなく、外部の有識者なのです。有識者とは、主に国から委託を受ける以下の士業が中心のようです。
●税理士
●中小企業診断士
審査基準は、個人によってだいぶ違うと思われるが…
では、これらの士業の方々がどのように審査をするかという流れですが、『ものづくり補助金』を例にすると一つの事業計画に対し、3~4名でチェックを行います。2名が事業面、もう2名が政策面や技術面を審査し、各項目に点数をつけていき、その合計点の上位から採択されていくようです。
士業の方々もその道のプロではありますが、すべての業界や事業領域を正確に知っているわけではありません。
審査基準も個人による幅が広いと思われます。審査経験のある方々にお話を伺うと、不採択になる申請には、それなりの理由がある反面、何故この申請が採択されているのか疑問に思うものもあるようです。
それらを推察すると以下のような理由があるようです。
1.審査員も自分の得意不得意の分野で、「辛口」「甘口」審査になりがち。
2.大量の書類をチェックするので、図や表などで読みやすい(=理解しやすい)ものに加点しがち。
3.すべての業界を知っている訳ではないので、専門用語は解説を注釈に加えてあるとよい。
4.誤字脱字がないのはもちろん、要領に沿った形になっていないとダメ。
通常、各事業者様には申請を専門にする部署はないと思いますので、審査員に好印象を持たれる申請書づくりはコンサルに相談する事も採択への近道かもしれません。