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高まる人件費とタイの経済構造変化
人件費の上昇も、日本企業にとって無視できない課題です。2022年時点の課長クラスの月給(米ドル換算)を比較すると、タイは1,884ドルで、中国の1,567ドルを上回っています。
他国と比較すると、マレーシア(1,650ドル)、インドネシア(1,353ドル)、フィリピン(1,051ドル)、ベトナム(1,057ドル)、カンボジア(885ドル)などがあり、タイの人件費は東南アジアの中でも高い水準に位置しています。
かつての「低コスト生産拠点」という位置づけから、タイは今や中所得国としての経済段階に移行しつつあります。この変化は生産性の向上と産業高度化を促す一方で、製造業中心の日本企業にはコスト圧力として作用しています。
日本人社会の広がりと現地経済への関与
2023年10月時点で、タイに在留する日本人は72,308人に上り、バンコクを中心に多くの日本人コミュニティが形成されています。これは、教育・医療・住宅環境が整っていることや、現地社会における日本企業の信頼が厚いことを背景としています。
今後も日タイ間の人的交流やビジネス往来は続くと見られますが、生活コストの上昇が長期滞在者や新規赴任者にどの程度の影響を与えるかは注目されます。
タイの税制と投資優遇制度
タイの法人税率は最高20%で、近隣国のインドネシア(22%)、マレーシア(24%)よりも低く設定されています。また、タイ投資委員会(BOI)が認可した企業には、投資奨励法に基づくさまざまな優遇措置が与えられます。
具体的には、①法人税が最大15年間免除される制度、②免税期間終了後さらに5年間、法人税が50%軽減される制度などがあります。さらに、輸入関税の減免なども適用されるため、総合的に見ればタイは依然として外国企業にとって魅力的な投資先であるといえます。
今後の展望 ― タイ経済はどこへ向かうのか
バーツ高とインフレの動向については、今後も不透明な要素が多く、短期間での是正は難しいと見られます。しかし、タイ経済は堅調な産業基盤と外国投資への積極的な姿勢を持ち合わせており、経済の調整を図りながら安定的に推移する可能性が高いと考えられます。
一方で、コスト上昇が続く場合、日本企業の新規投資がマレーシア、バングラデシュ、インドなど他国へシフトする動きも想定されます。今後の日タイ経済関係は、為替や物価の変動を超えて、技術協力や人材交流など新たな形でのパートナーシップへと発展することが期待されます。
まとめ
タイの物価高騰とバーツ高は、在留邦人や日系企業の経営に直接的な影響を及ぼしています。しかし、税制優遇やインフラ環境などの強みを考慮すれば、タイは依然として日本企業にとって東南アジアの重要拠点であり続けるでしょう。今後は、経済の多角化と中長期的な視点に基づく協力体制の構築が、日タイ双方にとっての課題となります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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