微笑みの国”で笑えない…バンコクの物価に驚く日本人たち――円安とバーツ高が暮らしを直撃【国際税務の専門家が解説】

微笑みの国”で笑えない…バンコクの物価に驚く日本人たち――円安とバーツ高が暮らしを直撃【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、タイでは通貨バーツの高騰とインフレの進行により、生活必需品から嗜好品まで物価が急上昇しています。かつて「物価が安く、ロングステイに最適な国」として知られていたタイですが、円安の影響も相まって、日本人の生活コストは大幅に上昇しました。本記事では、『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』の著書である矢内一好氏が、日系企業の進出状況、人件費や為替動向、さらに税制優遇を含む経済環境を踏まえ、日タイ経済交流の現状と今後の見通しを考察します。

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日本企業にとっての重要拠点・タイ

外務省が公表した2023年の日系企業海外拠点数によると、アジア地域での日本企業の拠点数は、中国が31,060か所と最も多く、次いでタイが5,956か所となっています。インド(4,957)、韓国(3,003)、ベトナム(2,394)を上回り、タイは東南アジアにおいて日本企業進出数で第1位の国です。

 

この背景には、タイの政治的安定性、地理的優位性、インフラ整備の進展などがあり、自動車・電機・機械産業を中心に長年にわたり日本企業が生産拠点を築いてきたことが挙げられます。

物価上昇と円安による生活コストの急騰

これまでタイは「物価が安く暮らしやすい国」として知られてきましたが、近年はそのイメージが変わりつつあります。円安、タイ・バーツ高、さらに国内インフレが重なり、生活必需品や外食費などが急騰しています。

 

具体的には、かつて数百円で楽しめたビールが現在では1,000円前後に達するなど、現地在住の日本人にとっても大きな負担となっています。2021年頃には1バーツ=約3.4円でしたが、2025年12月には1バーツ=約49円まで上昇しており、日本円の購買力が大きく低下しています。

 

この為替変動により、日本からの旅行者や長期滞在者はもちろん、駐在員家庭の生活費や企業の運営コストにも影響が及んでいます。

 

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