年金機構からの通知を「あえて無視していた」26歳男性の焦り
「年金なんて払う余裕もないし、あえて無視していたんです。まさか、家族にまで迷惑がかかる可能性があるなんて……」
そう話すのは、音楽で売れることを夢見ながら、アルバイトで生活費をつなぐ26歳の男性。年収は変動がありますが、昨年は180万円ほど。家賃5万円のアパート暮らしです。
そんな彼が無視していたのは、国民年金に関する通知でした。大学卒業後、自分で支払っていた時期もありましたが、音楽に力を入れてアルバイトを減らしたあたりから、払うのをやめたといいます。
これまで青、黄色と色を変えながら届いていた封筒を「今は無理」と開封もせず放置。しかし、赤色の封筒にはただならぬ雰囲気を感じて、中身を見ることにしました。
記されていたのは、督促や差し押さえといった見慣れない言葉。「こんなの脅しだろう」と思いつつネットで検索すると、実際に財産差し押さえになるケースがあると知り、一気に血の気が引いたといいます。
「老後の柱」と言われても…年金制度に疑念を抱く若者たち
日本の公的年金制度は、原則65歳から受給が始まります。長年「老後の生活を支える柱」とされてきましたが、少子高齢化が進む現在、その受け止め方は世代によって大きく異なっています。
内閣府の「生涯設計と年金に関する世論調査」(令和5年11月調査)によると「公的年金を中心に老後を考える」と答えた人は全体で8割を超えています。一方で、若い世代になるほど「年金にはなるべく頼らない」「まったく頼らない」と考える割合が高まる傾向が見られます。
その裏には、年金制度への不信感が見え隠れしています。
日本の年金制度は賦課(ふか)方式で、現在の現役世代が納めた保険料によって、今の高齢者の年金が支えられています。いつかは自分が支えられる側になりますが、若者からはこんな声が聞かれます。
「もらえたとしても、納めた分より少なくなって損しそう」
「年金に回すくらいなら投資をしたほうがいいのでは?」
物価は上がっているのに収入が増えないといった厳しい現実もあり、年金の納付をためらう若者がいるのが現状のようです。
