(※写真はイメージです/PIXTA)

22歳の時点で年収500万円を手にし、「同年代の奴らより稼いでいる」と豪語していた佐藤さん(仮名・25歳)。しかし、見栄で購入した外車の維持費と、おまとめローン後に陥った利用枠の錯覚が、彼を総額490万円の借金地獄へと引きずり込みました。現在は我に返ったものの、利息分だけで毎月6万円を失う過酷な毎日を送っています。本記事では、若者が特に陥りやすいお金の落とし穴についての事例を紹介します。

「おまとめローン」という名の甘い罠

いつしか借入れ先は5社に増え、返済管理が手に負えなくなった24歳のころ、佐藤さんは事態を収束させるべく、銀行の「おまとめローン」に手を出しました。バラバラだった負債を一本化し、月々の返済額を抑えることで、完済への道筋を立てるつもりだったのです。

 

「あのときは、これで人生をやり直せる、と本気で安堵しました。しかし、それが地獄の第二幕の幕開けでした」

 

借金を一つにまとめたことで、それまで使っていた複数のクレジットカードの利用枠が、一瞬にして「空」になりました。本来であればそのカードを解約すべきでしたが、佐藤さんは「もしものため」と手元に残してしまいます。

 

空いた枠を目にした瞬間、彼の脳内では「また自由に使える金ができた」という致命的な錯覚が起こりました。おまとめローンの返済を続けながら、空いたカードの枠を再び日常的に使い込み……。

 

気づいたころには、佐藤さんの年収にも匹敵する総額490万円にまで負債が膨れ上がっていたのです。

「利息を払うために生きている」出口が見えない支払い地獄

25歳になった佐藤さんは今、ようやく己の過ちに気づき、真面目に返済と向き合っています。かつての浪費を一切断ち切り、食費を削り、趣味も捨て、借金返済に捧げる毎日を送っています。

 

現在の手取りは昇給や残業で30万円まで増えましたが、そのうち18万円が毎月引き落とされていきます。内訳は、車のローンが7万円。そして借金の返済が11万円です。

 

毎月欠かさず、11万円を借金返済に充てているにもかかわらず、元金は驚くほど減りません。なぜなら、およそ6万円が利息のみで消えており、実際に減っている借金は5万円弱にすぎないからです。

 

「11万払っても、そのうち6万は利息。借金は5万くらいしか減ってないんです。本当、気が遠くなります。毎日あんなに必死に働いて、結局これだけかよって。なんのために頑張ってるのか、わからなくなります……」

 

かつて「同年代の奴らには負けない」と豪語していた佐藤さんは、まるで“利息を払うためだけに働くマシーン”のように、返済に追われる日々を淡々と過ごしています。

 

日本信用情報機構(JICC)の「統計資料」によると、借入残高がある者のうち、20代(約11%)と30代(約18%)を合わせた働き盛り世代が全体の約3割を占めています。

 

また、金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」では、クレジットカードの利用に伴うリスクを正しく理解している人は、回答者の49.6%に留まっています。こうした知識の不足が、おまとめローン後の「空き枠」を資産と錯覚させ、再び借金を増やしてしまう要因となり得ます。

 

佐藤さんの事例は、金融教育の不十分さと自制心が育ちきっていない若者に「借金」というアクセルだけを渡してしまう、現代社会が抱える深刻な課題といえるでしょう。

 

[参考資料]

指定信用情報機関 日本信用情報機構(JICC)「統計資料(2025年版)」

金融広報中央委員会「金融リテラシー調査(2022年調査)」

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