住み替えが突きつけた「老後の現実」
固定費が増えれば、医療費や介護費に回せる余力は減ります。
「年金月32万円なら余裕でしょと言われることもあります。でも、固定費が増えると、心の余裕が減る。怖いのは、じわじわ効いてくるところです」
夫婦は今、生活を見直しています。外食は減らし、共用施設の利用も最低限に。将来の介護に備えて、使う口座と“触らない口座”を分け、支出の見える化を始めました。
また、もしもの時に備えて、任意後見や財産管理委任契約といった制度も調べ始めています。認知機能が落ちたとき、資産があっても意思決定ができないと困るからです。
「タワマンに住み替えたことを後悔しているわけじゃない。でも、“最高の老後”って、場所だけで決まるものじゃないんだなと思いました」
タワーマンションの利便性や管理体制は、確かに老後の安心材料になります。一方で、固定費の増加や家族距離の変化など、住み替えがもたらす現実もあります。
「快適さにお金を払う」こと自体は間違いではありません。ただ、その快適さが何年続くのか、医療や介護の局面で家計が耐えられるのか――“持続可能性”まで含めて設計しておく必要があります。
西岡さん夫婦が得たのは、想像していた「最高の老後」だけではありませんでした。ですが、その現実を直視したからこそ、いまの暮らしを整え直すことができています。
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