(※写真はイメージです/PIXTA)

配偶者と死別したあと、生活の支えとして真っ先に思い浮かぶのが「遺族年金」です。けれど実際には、受け取れる年金が“夫婦合計の年金”と同じように続くわけではありません。総務省『家計調査報告(家計収支編)2024年平均結果の概要』では、65歳以上の単身無職世帯は可処分所得が月約12.1万円、消費支出が約14.9万円で、毎月不足が生じる構造が示されています。 収入が目減りした瞬間から、家計は一気に現実味を帯びてきます。

年金月20万円「このまま暮らせる」と思っていた

「どうして、こんなに減るの……」

 

そうつぶやいたのは、首都圏近郊に住む久美子さん(仮名・66歳)です。

 

久美子さん夫妻は、結婚して40年以上。夫の誠一さん(仮名)は会社員として働き、65歳で退職。69歳で急逝しました。

 

夫婦の年金は合計で月約20万円。内訳は、誠一さんの年金が月約15万円、久美子さん自身が月約5万円でした。持ち家はなく賃貸暮らし。派手な生活はしないものの、年金で家賃と生活費を回し、時々近所で外食を楽しむ――そんな日々だったといいます。

 

「夫がいなくなっても、遺族年金がある。生活は何とかなると思っていました」

 

葬儀や手続きに追われ、気が張っていた時期を過ぎたころ。久美子さんが現実に直面したのは、銀行口座に入金された“最初の年金”でした。

 

「……え?」

 

通帳に印字された金額は、以前の夫婦合計から大きく減っていました。久美子さんが頼りにしていた「月20万円」は、そのままでは残らなかったのです。

 

日本年金機構の説明では、遺族厚生年金の基本は、亡くなった人の老齢厚生年金の“報酬比例部分”の4分の3が目安です。 ただし、65歳以上で自分の老齢厚生年金を受ける権利がある場合は、併給調整が入り、遺族厚生年金が“満額上乗せ”される形にはなりません。

 

「遺族年金って、もっと支えになるものだと思っていました。生活が一気に細くなる感じがして……」

 

さらに久美子さんを戸惑わせたのが、「中高齢寡婦加算」の話でした。これは一定の条件のもと、遺族厚生年金に加算される仕組みですが、年齢や状況によっては対象になりません。

 

「周りから『寡婦加算があるんじゃない?』って言われて。調べたら、私の年齢だと、今さら増える話じゃなかったんです」

 

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