(※画像はイメージです/PIXTA)

本記事は、西村あさひが発行する『N&Aニューズレター(2025年12月26日号)』を転載したものです。※本ニューズレターは法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法または現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆担当者の個人的見解であり、西村あさひまたは当事務所のクライアントの見解ではありません。

タイにおける贈収賄規制の概要及び最近の汚職防止法令改正による通報者保護制度の導入について

執筆者:井浪 敏史、ナッタロス・タンプラシ、ナットラダ・ルアンウッティティクン

 

1.はじめに

タイはASEAN地域で2番目の経済規模を有する国であり、貿易及び投資の重要な拠点です。その戦略的な立地及び発展したインフラにより、多くの日本企業にとって継続して魅力的な投資先国となっています。

 

しかし、各国の腐敗度を示す代表的指標であり、Transparency Internationalが毎年公表しているCorruption Perceptions Index(腐敗認識指数)の2024年版において、タイは180か国中107位に位置付けられており、タイにおいては贈収賄リスクが依然として懸念事項であることを示しています。

 

以下では、タイにおける贈収賄規制の概要及び最近の汚職防止法令改正により導入された通報者保護制度についてご紹介します。

 

2.タイにおける贈収賄規制の概要

タイにおいて贈収賄防止に関連する事項を規制する主な法制である仏暦2561年(2018年)汚職防止組織法(以下「反汚職法」といいます。)は、汚職の防止、公務員の行動及び公務員に対する利益供与の規制、公務執行における説明責任の確保を目的とした包括的な法的枠組みを確立しています。反汚職法は、National Anti-Corruption Commission(国家汚職防止委員会)(以下「NACC」といいます。)が発出した仏暦2563年(2020年)財産又は利益の受領に関する倫理基準の告示(以下「NACC告示」といいます。)を含む下位法令によって補完されています。また、タイ刑法(Thai Penal Code)第143条及び第144条も、公務員との間の贈収賄を禁止しており、反汚職法及び刑法の定めは基本的に一致しています。これらの法制を中心に、タイの贈収賄防止制度が構成されています※11



※11 反汚職法、前文

 

公務員

反汚職法第173条及び第174条により、汚職行為の禁止は、公務員、外国公務員又は国際機関の職員に広く適用されます。反汚職法においては外国公務員も明示的に規制対象とされており、国内外の公的主体に贈収賄規制が適用されます(詳細は下記「主要関係者」の項目をご参照ください。)。

 

主要関係者:反汚職法は、次の者を含む幅広い対象者に適用されます。

 

• 公務員:政治職にある者、憲法裁判所の判事、独立機関の構成員及びNACC委員などの国家公務員を含む※12

 

• 国家公務員:官僚、地方行政官、国家機関職員、国営企業職員、地方自治体職員及び法律により行政権を行使する権限を与えられた者を含む※13

 

• 外国公務員:外国の法律に基づき職務に就いている者を含む。

 

• 公的な国際組織の職員※14

 

タイの贈収賄規制法令では、上記の全ての者が責任対象となり得ます※15

 

なお、タイ刑法における「公務員」の定義は、法律に基づき任命された者又は公的義務を遂行するために任命された者(一時的又は恒久的であるか及び報酬の有無を問わない)を指します。これは、反汚職法で幅広く規定された定義と一致しています※16

 

※12 反汚職法第4条(公務員)

 

※13 反汚職法第4条(国家公務員)

 

※14 反汚職法第4条(外国公務員、国際機関の公務員)

 

※15 反汚職法第4条

 

※16 刑法第1(16)条

 

禁止行為

反汚職法の下では、公務員・国家公務員が、職務の執行、不作為、遅延(その行為が公務員及び国家公務員の法的権限の範囲内であるか否かを問わない)の見返りとして、自己又は第三者のために財産又は利益を要求、受領すること又は受領に同意することは、違法行為となります。禁止対象行為には、職員が不正に職務を執行することの対価として利益を受領する場合・職務を執行する前に利益の提供を要求した、又はこれに同意した場合も含まれます。法律で明示的に許可されている場合(NACCの規則で許可された倫理基準に基づく場合など)を除き、財産・利益の要求、受領又は受領に同意することは禁止されており※17、これはタイ刑法においても同様です※18

 

また、重要な点として、反汚職法は、公務員、国家公務員、外国公務員又は公的な国際組織の職員に対して、不正な公務上の行為、不作為又は遅延を誘発する目的で財産又は利益を供与、提案又は約束した者にも責任を課しています※19。これは、私人が不正な公務執行の見返り又は当該行為を行わせるために当該利益を提供した場合も該当します※20。さらに、タイ刑法においても、不法に公務員の行為に影響を及ぼしたことに対する報酬として第三者又は仲介者を通じて職員に利益を供与又は提案した場合を含め、直接的・間接的な誘引行為を犯罪としており※21、仲介者も処罰対象となります※22

 

主犯だけでなく、汚職犯罪に関与し、又はその遂行を助長する教唆者、幇助者も刑事責任を負います。したがって、不正な利益が公務員に直接提供された場合又は仲介者を通じて間接的に提供された場合、タイ法上の贈収賄罪に該当することになります。

 

最高裁判所は、上記の点を2009年最高裁判決第3096/2552号において確認しています。この事件では、2名の被告人が、拘留中の被疑者に対する麻薬関連の罪を軽減させる目的で、警察官に70,000バーツを提供しました。仲介者を通じて申し出が行われ、最終的にはおとり捜査の対象となりましたが、裁判所は、刑法第144条に基づき、被告人が違法な公務執行を誘発する目的で贈賄罪を犯したと認定しました。この判決は、(直接であるか間接であるかを問わず)不正な利益が公務員に提供された場合、タイ法上の贈収賄犯罪に該当することを明確に示しています。

 

※17 反汚職法第175条及び第176条

 

※18 刑法第148条及び第149条

 

※19 反汚職法第175条及び第176条第1項

 

※20 反汚職法第175条及び第176条

 

※21 刑法第144条

 

※22 刑法第143条及び反汚職法第175条

 

金額基準は設けられていないこと

タイの汚職防止法に、贈収賄についての金額基準は設けられていません。公務に関連している場合、金銭的価値のある財産又は利益の受領は全て違法行為となり得ます※23

 

なお、タイの反汚職法第128条及びNACC告示には、公務員が利益を受領するにあたり許容される「倫理的根拠」についての詳細な指針が示されています。1人の贈与者につき1回ごとに3,000バーツ以下の利益は文化的に適切な場合に限り許容されることがありますが※24、それを超える金額の場合は、30日以内に上司へ報告し、承認を得ることが求められています※25。ただし、3,000バーツは違反にならない基準ではなく、いかなる利益も不正な意図がある場合は贈収賄となり得る点に留意が必要です。

 

※23 反汚職法第128条

 

※24 NACC告示第5-6条項

 

※25 NACC告示第7条項

 

法人責任及び防止措置

法人に関わる者が、その法人の利益のために違法行為を行い、かつその法人に適切な内部統制措置が整備されていない場合、法人自体もその違法行為を行ったものとみなされます※26

 

法令は、法人が直接的又は間接的に公務員に対して不正な利益を提供した場合、法人に対する調査・訴追を可能とする、法人責任の制度を設けています。このリスクを軽減するため、タイで事業を行う企業は、ガバナンスの一環としてNACCのガイドラインに沿った、8つの原則※27に基づき内部的な防止措置を確保することが求められます。これらの防止措置を設けることにより、法人が贈収賄に関する内部統制を有し、実施していることが示され、法人責任についての刑罰が軽免される可能性があります。

 

一方で、当該内部統制が整備されていないことは過失とみなされ、反汚職法第176条第2項に基づき、企業が刑事責任を負う根拠となります※28

 

※26 反汚職法第176条第2-4項

 

※27 NACC「適切な内部統制措置に関する法人向けガイドライン」(第3版)
1.贈収賄防止に向けた強固かつ明確な方針及び経営陣からの支援
2.贈収賄リスクを特定及び評価するためのリスク・アセスメント
3.リスクの高い分野及び脆弱な分野に対する強化された綿密な対策
4.取引先への贈収賄防止措置の適用
5.正確な帳簿及び会計記録
6.贈収賄防止措置を補完する人事管理の方針
7.贈収賄の疑いを報告することを促進する連絡体制
8.贈収賄防止のために統制の有効性に関する定期的なレビュー及び評価

 

※28 反汚職法第176条第2項

 

刑罰

個人又は法人が贈収賄その他の不正行為に関与したと判断できる十分な根拠があると認めた場合、NACCは、その調査結果を公表し、司法長官事務所に付託して起訴を求めることができます。

 

タイ刑法の下では、私人による積極的な贈賄行為については、最長5年の禁固若しくは100,000バーツの罰金又はその両方が科されます※29。一方、受動的な収賄(公務員による賄賂の受領)は、5年から20年の禁固又は終身刑、さらに100,000バーツから400,000バーツの罰金の対象となり、最も重大な場合には死刑が科されることもあります※30

 

反汚職法の下では、積極的な贈賄行為については、同様に最長5年の禁固・最大100,000バーツの罰金が科されます。一方、受動的な贈賄(公務員による賄賂の受領)については、最長20年の懲役又は終身刑、さらに100,000バーツから400,000バーツの罰金が科される可能性があります。反汚職法は法人責任も定めており、企業の刑事責任として、違反によって生じた損害又は利益の1倍から2倍の罰金が科される場合があります※31

 

※29 刑法第143条及び第144条

 

※30 刑法第149条

 

※31 反汚職法第176条第2項

 

3.最近の汚職防止法令改正による通報者保護制度について

2025年6月6日から施行される、仏暦2568年(2025年)汚職防止に関する組織法(第2号)は、NACC又は権限を有する職員(NACCが指定する)に汚職を通報し、又は情報を提供した者を保護する制度を新たに導入しています。

 

特に、反汚職法第132条の改正及び新たに導入された第132/1条、第132/2条、第132/3条は、報復行為を防止し、タイの通報制度への信頼性を高めることを目的としています。

 

改正後の反汚職法第132条は、NACC又は権限を有する職員(NACCが指定する)に対して、善意で供述、情報、証拠又は意見を提供した者が、悪意による訴訟(民事・刑事)、懲戒処分及び調査におけるその他の嫌がらせから保護されることを保証しています※32。また、同法ではNACCと関わるあらゆる個人を対象として、広い範囲の保護対象者が定められています。保護対象者には、組織の内部者(社内で贈収賄又は談合の疑いを報告する従業員、又は社内調査結果をNACCに報告したコンプライアンス担当者など)、証人となる外部者、自ら申し立てを行っていないもののNACCへの協力を求められた者又は公式な紹介ルートを通じて調査に関与する者などが含まれますが、これらに限定されません。

 

さらに、第132/2条に基づき、善意で通報を行った者は、第132条に基づきNACCに対して供述、情報、証拠又は意見を提供したことに起因する民事、刑事及び懲戒責任から免責されます。第132/2条はさらに、支援を受けるための基準、手続、条件について幅広い支援措置を定めています。これには、NACCが支援のための職員を割り当てること、法定代理人を手配して民事又は刑事訴訟で個人を弁護すること、裁判費用及び訴訟費用の支援、情報提供、捜査官又は検察官に照会を行うためのNACCの決議を提供すること(事件記録の一部として扱われる)、私人訴追の刑事事件で検察官に弁護を依頼すること、保護に関する状況を裁判所に通知すること、仮釈放(保釈)を支援すること、保護が確認され次第、懲戒を行った機関に懲戒処分の取消しを求めることなどが含まれます。NACCが割り当てた職員は、法定代理人と同等の権限で行動することができ、必要な財政的支援は国家汚職防止・抑止基金から拠出されます。

 

※32 仏暦2568年反汚職法(第2号)第132/1条

 

新たな通報者保護制度への企業の対応策

改正された反汚職法によって強化された通報者保護制度の下では、贈収賄に関する情報をNACCへ直接報告することが推奨されています。そのため、企業が十分なコンプライアンスの枠組み(強固な通報制度を含む)を整備していない場合、企業内で贈収賄が発生した際に、贈収賄の事実を知る者が当局へ直接情報を報告する可能性がこれまで以上に高まることについて注意が必要です。

 

企業としては、社内における贈収賄などの不正行為を発見するため、反汚職法第176条第2項に基づく企業の防止措置として、社内におけるコンプライアンスの枠組みの整備を確保することが必要です。例えば、従業員が懸念事項を安心して報告できる、安全かつ信頼性の高い手段を提供することにより、社内での通報を促すことにつながります。具体的な対応には、明確な通報者保護規程の設定、研修による意識の向上、機密性の高い通報窓口の整備や強固な報復防止措置の導入等が含まれます。

 

改正された反汚職法第132条及び第132/1条自体は、企業内での通報には適用されませんが、企業は同様の方法で通報者の保護を強化することにより、社内での通報を促進することが考えられます。また、不正についての報告を受けた場合の適切な対応方法に関する研修を管理職に実施すること、報告の受付け・評価のための効率的なプロセスを整備することも考えられます。リスクアセスメント、内部監査、記録管理等の幅広い贈収賄防止体制に加えて、これらの防止措置を講じることで、企業のコンプライアンスに対する誠実な姿勢を示すことができ、当局による執行の対象となるリスクの低減にもつながります。

 

これらの実践的な措置を講じ、企業におけるコンプライアンスの枠組みをNACCの「適切な内部統制措置に関する法人向けガイドライン」に沿った内容とすることは、万が一、社内で贈収賄が行われた場合に、法人責任を問われるリスクを軽減することに役立ちます。

 

4.最後に

上記のとおり、タイでは、包括的な贈収賄規制法令の整備及び最近の汚職防止法改正によって導入された通報者保護制度を通じて、贈収賄防止の枠組みが強化されています。タイで事業を行う企業にとっては、社内で発生した贈収賄が当局に報告される可能性が高まっていることを認識し、贈収賄のリスクを軽減し、強化された法律上の要求を満たすため、積極的に強固なコンプライアンス体制を導入することが重要です。

 

以上

最近の危機管理・コンプライアンスに係るトピックについて

執筆者:木目田 裕、宮本 聡、西田 朝輝、澤井 雅登、藤尾 春香

 

危機管理又はコンプライアンスの観点から、重要と思われるトピックを以下のとおり取りまとめましたので、ご参照ください。

 

なお、個別の案件につきましては、当事務所が関与しているものもありますため、一切掲載を控えさせていただいております。

 

【2025年11月27日】

警察庁 国家公安委員会、「令和7年犯罪収益移転危険度調査書」を公表

https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/nenzihokoku/risk/risk071127.pdf

 

2025年11月27日、警察庁国家公安委員会は、「令和7年犯罪収益移転危険度調査書」※33を公表しました。

 

本調査書では、令和6年の刑法犯に関するサイバー空間をめぐる犯罪情勢として、フィッシング報告件数が令和6年に約172万件に上り、依然として増加傾向が続いているほか、クレジットカード不正利用による被害額は約555億円で過去最多となるなどの状況が見受けられたことや、ランサムウェアによる被害が依然として高水準で推移していること、等が記載されています。

 

また、マネー・ローンダリングに悪用された主な取引等や令和6年の疑わしい取引の届出の警察庁に対する年間通知件数(約85万件)といった、マネー・ローンダリング事犯等の分析が示されるとともに、特定事業者ごとに取り扱う商品・サービスの危険度、危険度の高い取引形態、国・地域及び顧客属性並びに危険度の低い取引についてデータや事例に基づき評価を記載する内容となっており、特に金融機関等がマネー・ローンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT:Anti-Money Laundering/Countering the Financing of Terrorism)を行う上でのリスク評価指針として、実務上有用な内容となっています。

 

※33 犯罪収益移転危険度調査書とは、犯罪収益移転防止法3条3項に基づき、国家公安委員会が、毎年、犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者その他の事業者が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪による収益の移転の危険性の程度その他の当該調査及び分析の結果を記載して公表する調査書をいいます。
 

 

【2025年12月3日】

最高検察庁、「不起訴処分広報の具体的運用について」を公表

https://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/supreme/img/20251203_1_00002.pdf 

 

2025年12月3日、最高検察庁は、「不起訴処分広報の具体的運用について」を公表しました。本公表は、①個別の事案ごとに、公益上の必要性の程度及び公表による弊害の程度等を考慮し、相当と認められる場合には、裁定主文を公表する、②裁定主文に加えて一定の説明を行うことについても、公表の公益上の必要性の程度及び公表による弊害の程度等を考慮し、相当と認められる範囲で行う、③裁定主文を公表しないこととした場合であっても、個別の事案ごとに検討の上、相当と認められる範囲で、裁定主文に代わる一定の説明や裁定主文を明らかにすることができない理由の説明を行う運用とする方針を明らかにしたものです。

 

【2025年12月10日】

金融審議会、「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告」を公表

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20251210.html

 

2025年12月10日、金融審議会内に設置された暗号資産制度に関するワーキング・グループは、「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告」を公表しました。本報告は、同グループにおける暗号資産を巡る制度のあり方についての審議の結果を取りまとめたものであり、暗号資産を巡る制度について、概要以下の指摘をしています。

 

①根拠法令の見直し

・暗号資産の規制法を資金決済法から金商法へ変更するのが適当である。

 

・暗号資産については、有価証券とは異なる金融商品として金商法に位置付けるのが適当である。

 

②情報提供規制

・暗号資産の価値の源泉を実質的にコントロールする者(中央集権的管理者ないし発行者)が存在する暗号資産(中央集権型暗号資産)について、発行者が資金調達を行う場合には、発行者に対し、発行者の情報、調達資金の使途、対象プロジェクトに関する情報等や、暗号資産の性質・機能や供給量、基盤技術、付随する権利義務、内在するリスク等に関する利用者への情報提供義務を課すべきである。また、中央集権型暗号資産について、発行者による資金調達を伴わず、暗号資産交換業者が独自に暗号資産の売買及び売買の仲介を行う場合は、当該暗号資産交換業者に対し、上記の情報をウェブサイト等において公表すると共に直接当該顧客に説明する旨の情報提供義務を課すべきである。

 

・中央集権型暗号資産以外の暗号資産については、暗号資産交換業者が独自に暗号資産の売買及び売買の仲介を行う場合は、暗号資産交換業者に対し、暗号資産の性質・機能や供給量、基盤技術、付随する権利義務、内在するリスク等の情報をウェブサイト等において公表すると共に直接顧客に説明する旨の情報提供義務を課すべきである。

 

③業規制

・暗号資産には、第一種金融商品取引業に相当する規制を適用すべきである。また、現行の資金決済法に設けられており、第一種金商業には相当する規定がない、安全管理措置等に関する規制については、金商法に同様の規制を設けるのが適当である。

 

・無登録業者による違法な勧誘を抑止するため、例えば、無登録業に関する罰則の引上げを行い、また、裁判所による緊急差止命令の対象とし、証券取引等監視委員会に申立権限及びそのための調査権限を整備する等、より厳格な規制の枠組みを設けるべきである。また、暗号資産を投資対象とする投資運用行為や投資助言行為を規制対象とするべきである等。

 

④不公正取引規制

・暗号資産のインサイダー取引規制を整備すべきである。

 

・暗号資産に係る不公正取引についても、証券取引等監視委員会における犯則調査権限を設けると共に、課徴金制度を創設し、当該制度の創設に伴う調査権限を設けるべきである等。

 

【2025年12月12日】

IPO連携会議、「新規上場時の会計不正事例を踏まえた取引所の対応について」を公表

https://www.jpx.co.jp/news/1020/t13vrt000000ciom-att/t13vrt000000cirn.pdf

 

2025年12月12日、IPO連携会議(事務局:株式会社東京証券取引所、日本取引所自主規制法人)は、「新規上場時の会計不正事例を踏まえた取引所の対応について」を公表しました。

 

 

本資料は、最近の新規上場時の会計不正事例を受けて、今後の再発防止に向けた取引所の対応を取りまとめたものです。このうち内部通報体制の適切な整備に向けた審査及び不正情報の収集・連携強化については※34、以下の内容が記載されています。

 

・新規上場申請会社における内部通報体制の整備状況を確認

 

※経営陣から独立した通報窓口の設置、情報提供者の秘匿や不利益取扱禁止等の社内ルールの整備、不正実行者に通報内容が伝わらない工夫等を確認

 

・不正情報の早期受領に向けて、IPO関係者と協力して取引所通報窓口(上場準備会社の上場適格性に関する情報受付窓口)の存在について上場準備会社の役職員等に対する周知活動を実施

 

※上場審査において周知状況を確認

 

※当該窓口経由で受領した情報を主幹事証券会社及び監査法人に円滑に連携できるよう情報収集の手続きを整備

 

※34 そのほかの対応として、不正リスクに応じた上場審査、経営者に向けた啓発活動等、IPO関係者との連携・協力、自主規制法人における不正リスクに関する上場審査能力の向上に向けた取組みが挙げられています。

 

【2025年12月18日】

「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が施行開始

https://www.jftc.go.jp/msca/ 

 

2025年12月18日、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が全面施行されました。本法は、特定ソフトウェア(スマートフォンの利用に特に必要な、基本動作ソフトウェア、アプリストア、ブラウザ及び検索エンジン)に関する競争環境の整備を行うため、指定事業者※35の禁止行為※36及び講ずべき措置(遵守義務)※37等について定めたものです。指定事業者が禁止行為に違反した場合、排除措置命令の対象となり、特に法7条及び法8条1号・2号の禁止行為に違反した場合には課徴金納付命令の対象※38となります。また、指定事業者が遵守義務に違反した場合には、勧告及び命令の対象となり、命令に違反した場合、個人及び法人に100万円以下の罰金が科されます。

 

 

※35 具体的には、特定ソフトウェアの提供等を行う事業者のうち、当該特定ソフトウェアの提供等に係る事業の規模が他の事業者の事業活動を排除し、又は支配し得るものとして特定ソフトウェアの種類ごとに利用者の数その他の当該事業の規模を示す指標により政令で定める規模以上であるものとして、公正取引委員会に指定を受けた事業者を指すとされています(法2条)。

 

※36 具体的には、①取得したデータの不当な使用、②アプリ事業者に対する不公正な取扱い(法6条)、③他のアプリストアの提供妨害(法7条1号)、④モバイルOSの機能の利用妨害の禁止(法7条2号)、⑤他の課金システムの利用妨害(法8条1号)、⑥リンクアウト、ステアリングの制限等(法8条2号)、⑦他のブラウザエンジンの利用妨害(法8条3号)、⑧自社のソーシャルログインの利用強制(法8条4号)、⑨検索結果の表示における自社優遇(法9条)が禁止されています。

 

※37 具体的には、①取得データの使用条件等の開示に係る措置(法10条)、②取得データの利用者に対する移転に係る措置(法11条)、③デフォルト設定の変更、選択画面の表示に係る措置(法12条1号イロ・2号)、④追加インストールの同意、アンインストールに係る措置(法12条1号ハニ)、⑤仕様変更等の開示、期間の確保等に係る措置(法13条)を講じることが求められています。

 

※38 課徴金額は、違反行為期間における、違反行為に係る商品又は役務の売上額に、20%を乗じて得た額に相当する額とされています(法19条)。
 

【2025年12月19日】

法務省、刑事手続きの在り方を検討する有識者研究会において取調べ可視化拡大など議論

2025年12月19日付け時事通信

 

2025年12月19日付け時事通信の報道によれば、法務省は、2025年12月19日、刑事手続きの在り方を検討する有識者研究会の初会合を開きました。

 

本研究会は、法曹三者や刑事法学者ら11人で構成されるもので、取調べの可視化をはじめ、刑事手続き全般を対象に制度の見直しが議論される予定であり、初会合では、冤罪被害者らを念頭に、当事者へのヒアリングを実施する方針が確認されたとのことです。
今後は、現在は全体の3%弱にとどまっている取調べの可視化の対象事件の範囲の拡大に関する議論、合意制度(日本版「司法取引」)の制度の在り方についての検証がなされる予定とのことです。

 

以上

 

 

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