個人のFX取引では25倍のレバレッジ規制があるが…
レバレッジ規制の回避
個人に課せられている25倍のレバレッジ規制を回避しようと思ったら、国内では法人口座を持つしかありません。
そこで建てられるレバレッジは、証券会社やFX業者によっても異なりますが、100倍程度となっています。
一時は海外に口座を作ることもレバレッジ規制の回避手段として同列に考えられてきましたが、必ずしもスムーズにいかない口座開設や、開設後の信頼性などの観点から一般的に採られる方法とはなっていないようです。
そのため、法人によるFX口座開設に、これまで同様に注目が集まっています。
損失の「繰越し」と「繰り戻し」
損失の繰越し
個人で認められる損失の繰越しは最大3年です。
これに対して法人の場合、最大9年(平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額については10年)認められています。
海外FXについては、個人では損失を繰越せませんが、法人で行うことで上記同様に最大9年(平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額については10年)が認められています。
なお、資本金1億円超の会社では、繰越欠損金の6割(平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額については55%)しか使えない利用制限がつきますが、本書をご覧の皆さんが設立済み、あるいはこれから設立されるFX法人の資本金が1億を超えることは一般的ではないと思うので、特に気にしなくても良いでしょう。
損失の繰戻し
昨年FXで利益を100出して税金を20払った。
今年FXで損失を100出した。
個人であれば、今年出した損失は来年以降に繰越すことしかできません。
つまり、昨年払った税金20を取り返すことはできないのです。
しかし、FX法人であれば今年度出た損失を前年度に持ち込んで昨年の税金を取り戻すことができます。
これを繰越しの反対の言葉として繰戻しと言います。
資本金1億円以下の中小法人にのみ前年度に限って限定的に認められている制度ですが、法人であればこのようなことが可能になるわけです。
ただし、細かいことを言いますとこれで取り返すことができるのは法人税のみです。
同じく利益にかかる税金である事業税や法人住民税(法人税割)については繰越すことしかできないことになっています。