FX法人は自分個人とは別人格
自分が支配しているFX法人がたっぷりオカネを持っているような場合、これを個人で引き出して違う使途に使いたいということがあるでしょう。
その場合でも、自分のお財布に入っているオカネのようには簡単に動かすことはできません。
なぜなら、あくまでもFX法人は自分個人とは別人格であって、そこからオカネを引き出す場合には
⑴会社から貸付(または仮払)を受ける。
⑵会社に貸していたオカネ(経費の未精算額や給与の未払額を含む)を返してもらう。
⑶会社から給料をもらう。
⑷会社から配当をもらう。
といった理由付けが必要だからです。
「給料」の認定で徴収される源泉所得税
これをあいまいにして引き出したままにすると、⑶の給料としての認定を受けてしまうことが起こります。
この認定を受けると、給料だから源泉所得税の徴収がされていなければならないので、遡って納付してくださいと言われてしまいます。
また、この納付はいったん会社が納付しますが、その支給を受けた本人が負担すべきものなので、最終的には個人から徴収されることになります。
ちなみに、役員相手に臨時の給与(=役員賞与)を払った認定を受けることはこの部分は経費にならないことを意味しています。
(これについては、7.1も参照してください。※書籍参照)
また、⑶の給料ではなく⑴の貸付の扱いを受けたとしても、今度は受けた貸付であれば金利を支払う必要があるとして、
・金利相当額を会社からもらった扱いになって源泉徴収。
・会社はもらっていないけど受取利息を利益に計上。
・支払った会社は、前述のとおり費用にならない役員賞与。
といった面倒な話がどんどん出てきます。
このようなハードルがあるため、自分の会社のオカネなのに自由に動かせないという状況が起こることになります。