FX法人設立　合同会社と株式会社のコストの違いとは？

会社設立は専門士業に委託したほうが安くなる!?

前回にも述べたとおり、合同会社と株式会社のコスト面での違いは、設立コストに限定されています。

具体的に両者を比較すると次のとおりです。

【図表】

一般の人が設立をすると、紙で定款を作ることになるため、定款へ貼付する印紙4万円がかかることになります。

一方、設立を請け負う司法書士や行政書士等の士業事務所の場合、通常は電子定款によるために安く設立できます。

このため、報酬が4万円以内であればプロに頼んだ方が安いということになります。

なお、私共ASCが会計契約をお受けする場合も電子定款で、さらに設立の報酬はいただいておりませんので、株式会社なら20万円、合同会社なら6万円の実費のみで設立することができます。

理論的に一般社団法人を選択することも可能だが・・・

一般社団法人とは、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律によって設立される法人のことです。

社団法人というとかなり公的な印象を持たれる方が多いと思います。

ましてやご自身で設立したり運営することなど思いもよらないかもしれません。

しかし、一般社団法人を設立登記して運営することは株式会社、合同会社と同じくらい簡単で、設立コストも両者の中間くらいの金額で可能となっています。

（定款認証で約5万円、登録免許税で6万円が必要ですが、もともと定款に収入印紙を貼る必要がないため、電子定款でなくても追加的なコストが発生しません。つまり、実費だけなら11万円ちょっとで設立ができることになります。）

ただ、株式会社や合同会社とは違う点として

⑴（営利目的ではないため）剰余金の分配をできない。

⑵株式のような持分を持たない。

⑶議決権は「社員」と言われる意思決定者が有していて、これはオカネを出した金額とは無関係

ということがあります。

剰余金の分配はしないといっても、給料を取ることは可能ですし、営利事業を行うことに制約はありません。

利益に対する法人税は原則として普通法人と変わりありません。

また、株式のような持分を持たず、「社員」が法人への拠出額と無関係に議決権を有しているといっても、それが法人の目的や活動に制約を与えるものではありません。

したがって、理論的にはFX法人の受け皿として一般社団法人を選択することも可能です。

しかし、公的な側面をアピールする必要性がないFX法人において、あえて一般社団法人を選択するメリットは考えにくく、その活用はFX法人で得た利益を用いて、より公益的な（少なくとも公益的に見せたい）ビジネスを手がける際の将来の選択肢として考慮すれば良いといえるでしょう。また、FX口座の開設も業者によっては困難を極めるようです。これは前例が少なく、業者側も審査で困ってしまっているのでしょう。

FX法人で対外的な信用度が必要になることは少ない

大企業や一般消費者を相手に商売をするわけでないため、基本的にFX法人に対外的な信用度が必要になることは少ないでしょうから、合同会社で良いと言えるでしょう。

以前は証券会社やFX業者によっては合同会社だと口座が作れないケースがあったようですが、最近はそのような話を聞くことはありません。

また、税金の計算上、株式会社よりも不利な取扱を受けることもありません。（逆に有利に扱われることもありません。）